第一駄文書物!

□突然現れたソイツ
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「!!、もう!びっくりするじゃない!」

「一応邪魔するぞと言ったんだけどな」

「普通にチャイム押してよ!」

「……にぃ」



なにやらリンネの好きな『どくたーぺっぱー』とやらの飲み物が入った袋を片手に、ヨミエルは少女を見た。

「その子は?」

「にー」

ヨミエルに頭を撫でて貰うが、そこで私は重大な事に気付いた。

(ΣΣチュウチュウ氏が居ないッ!?)

どうやら逃がしてしまったようだ……

「分からないの。シセルが鳴くから来てみたら、この子が庭で倒れてて……」

取り敢えず残念ではあるが、そこまでチュウチュウ氏を捕らえたかった訳でもないので、気にしない事にした。

ただの食後の遊び相手なのだから。

「なるほどな、」

「シセルが鳴く前に音がしたから、多分どこかから落ちてきたのかも?」

「音がしても来なかったのか?」

「だってシセルが物でも落としたのかと思ったんだもん」

それでも一応は周りを見渡し確認する。

別にチュウチュウ氏を捕らえたいわけでは……

(見つけた!!)

「とにかく、目が覚めるのを待つか」

「そうね、でもどこの子だろう?」

「見たことないな、ん、シセル?」

少女が眠っているソファーの横の棚上。

(ただの食後の運動だ)

狙いを定める。

が、

それにいち早く気付いたであろうヨミエルが何か言ってる気がした。

「!?」

「どうしたの?」

「シセル!やめ……」

(私は『めたぼ』になる気はない!!)



一直線に狙いを定めたターゲットへ向かい、ソファーの上で安らかに眠っている少女を足場に、棚へと駆け上がる。

そこまでは我ながら素晴らしかったが、いきなりバランスを崩してしまい、棚上にあったペン入れを落としてしまった。



―――ガシャンッ



「……」

「……」

「……」



(私は何をしてるんだ……)

一瞬の気まずい静寂後、ヨミエルが問い掛けた。

「……どうしたシセル?」

「…………にー、」

するとリンネが机の上を指差して言った。

「ねぇ、マタタビが開けられてるんだけど……」

「……」

「……」

(おそらく、ミサイルを散歩に行かせたカノンが持ってきたのだろうな……)

そんな馬鹿な会話をしていると、今まで眠っていた少女が声を上げた。



「ん……」
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