貰い物!
□雨に歌えば 前編
2ページ/4ページ
クルルズラボ。
一番日の日差しが似合わない男がキーボードを忙しなく叩いている。この頃目立った『遊び』もなく本部からの定期連絡も楽しめるような内容はない。
日がな一日壊れかけた火魔割の復旧作業で暇を潰していた。直ったからと言って使う当てはないガラクタなのだが。
「暇だねぇ」
「暇でありますか」
何気なく言った独り言によく聞いた声が返ってきて座席から落ちそうなくらいに驚いた。
技術屋だが軍人を生業にしている以上、背後を取られるなど滅多にないことだ。
振り向くと隊長と呼ばれている人物が立っていた。