貰い物!

□〜絆〜
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―…翌日

「……うっ…」
「ケロロっ?!」

ケロロから小さな呻き声が聞こえ、ギロロは声を掛けた。他の三人も周りに集まった。
「…っ……あれ……ここ、は……」
「ケロロっ!!」
「軍曹さんっ!!」
「隊長…」
「よかった…」

ケロロの目がゆっくりと開き、目線を泳がせた。
ケロロの目覚めに四人は喜んだ。それに加えてタママとドロロは泣いていた。
ギロロとクルルは何とか堪えていたが、今にも泣いてしまいそうだった。

「…みん、な……」

周りにいる仲間の姿に気付くと、何処か怯えた雰囲気を出していた。
そんなケロロにギロロは普段出さない優しい笑顔で言った。

「もう気にするな。全部終わった」
「……?」

疑問符を浮かばせるケロロに答えたのは意外にもクルルだった。

「悪ぃーけど、アレ読ませてもらったぜぇ」
「………」

クルルが言うアレは聞かずともわかった。
ケロロは黙ってしまった。

「ありがとう、ケロロ君」
「えっ…?」

ゼロロの言葉にケロロは目を丸くさせた。
てっきり怒られるかと思っていたから。
ゼロロはにこりと笑うと言葉を続けた。

「確かに一人で行った事に少し怒ってるけどね、僕達の事を思ってくれたからだよね?」
「……う、ん…」

小さくケロロは頷き、目を閉じた。

「…我輩、みんなのことが何よりも大事な宝物だから…、守りたくて」

ケロロの目端から涙が零れた。

「軍曹さん…」
「……ごめんね、結局、みんなにやらせちゃったであります…」
「それは違うです!」
「タママ二等…」
「ボク達だって、軍曹さんは何よりも大切なんです。だから、ボク達も軍曹さんの事を守りたいんですぅ」
「ああ、そういう事だ。だから、もう気にするな」
「…ありがとう…。本当にありがとうであります」

ケロロは零れる涙を拭い、最高の笑顔を見せたのだった。
つられてみんなも笑う。



こうして、ケロロ小隊の絆はまた一段と強く深まりましたとさ。


ちなみにこの話は地球(ペコポン)に来る前の事でした。

         END
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