第一駄文書物!
□紙飛行機
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囚人(土方)
ある時代、ある場所。
一人の囚人が、柵越しに恋をした。
切ない恋だった。
俺は生まれた時から自由を奪われて、迫害を受ける囚人だ。
でも、そんな俺にも唯一のものがあった。
「トシ!」
「銀、」
坂田銀時。
俺の好きな奴だ。
毎日来てくれる。
汚い俺とアイツじゃ差がある事だって知っていた。
それでも好きになったんだ。
薄暗い雑草の中に咲く一輪の花。
綺麗だ……
毎日、紙飛行機を折って、アイツの所へ柵を乗り越える手紙を渡す。
アイツも手紙を返してくる。
幸せ、生きる喜び。
大切だった。