第一駄文書物!

□本当の事
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「あんたって何で隊長なの?」

ある日の日曜に私はそんな事を聞いた。


その日は助っ人もなく、冬樹はオカルトだかなんだかで、居なくなり、ケロロと2人っきりになって暇を弄んでいた。
「ゲロ?」
テレビから目を反らし見つめるケロロ。
「突然何でありますか?」「だって、タママはともかく、ギロロやドロロの方がしっかりしてるし、クルルだって階級はあんたより上でしょ?よっぽど隊長に合ってるわよ」
聞きようによっては酷い。「そうでありますか?…………いや、まぁ確かに」
少し考えたケロロだったが、笑って答えた。
「でも正直、我輩が隊長でよかったでありますよ?他のメンバーにこんな重い役割は似合わないでありますから」
「?」
意味深なケロロの言葉に首を傾げる夏美。
「どういう事?全然重そうには見えないんだけど、」「ゲロォ」
少し迷ったケロロは話す事にした。
「ケロン星でもたまに隊長の資質持ちって言うのがいるんでありますよ」
「資質持ち?」
「隊長になる資格であります」
ケロンスターを指差すケロロ。
「ふーん、それが?」
「資質持ちとしては何でもないんでありますが、ケロン軍からして見たら、資質持ちはとても貴重な存在で、その為手放す訳にはいかないんであります」
「って言うと?」
「資質持ちがもし、何らかの形で汚染されたりしたら、大変であります」
「うん」
「じゃあどうするか?」
「どうするの?」
「簡単であります。クローンを作ればいいんでありますよ」
「クローン?」
聞き慣れない言葉に眉を潜める。
「つまり、コピーであります。オリジナルの細胞を取って何体ものクローンを作るんであります」
「それって……」
「汚染されればいらない記憶も消され、体がどうにもならないくらい傷付けば次のクローンが変わりになるんであります」
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