貰い物!
□君が好き
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ずっとずっと。
君が好き
思い出したくないこと、出来ることなら忘れたいことは誰にでもある。
目を瞑ると、昨日のことのように思い出される戦場の記憶。
―逃げてるって、分かってる。でも、しょうがないじゃない?忘れたいことだってあるよ。
あの頃と今は違う。
毎日のように戦場で戦った日々は、もう過ぎ去ったものだ。
そして、赤い幼馴染との恋も…
ケロロは夢の中。
いつも隣にいて、愛してくれたギロロが自分の元を離れていく。
他人の血で染まった手で、頬を伝う涙を拭う。
夢は、静かにフェードアウトしていった。
朝になり目が覚めると、そこはいつものベッドだった。
身体に異変は無い。何時も通り、嫌になるくらい元気だ。
と、隣に何かの気配を感じ、振り返る。
「…あんた、誰?」
「…んあ?」
容姿はケロロそっくりだ。
ほくろの位置まで同じではないかと思ってしまう。
しかし、双子の兄弟なんていないし、クローンが来るなんて聞いていない。
「困ったときのクルル頼みっと…いくよ、我輩っぽい人」
「え、なになに?」
寝ぼけているケロロっぽい人は混乱している様子だ。
ケロロはその倍は混乱している。
寝ぼけている二人はふらふらと、クルルのラボへ向かった。
「人格が分かれたみたいだな」