第一駄文書物!
□【銀魂】10題
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01,白き夜叉、夢を見る
血が付いた刀。
死体。
周りには誰も居ない。
雨空の下。
独り。
あぁ、これは夢だ。
でなければ壊れてしまう。
夢は静かにヒートアップしていった。
「がぁッ!っ、はぁ……はぁ……はぁ……」
ガバリッと起きた銀時は荒い呼吸を整えようと、肩で息をしていた。
「……ッ」
肉を断つ感覚がまだ手に残っている。
「……水」
台所で水を飲んでいると、後ろから……
「銀ちゃん?」
「神楽ッ?!」
寝巻姿の神楽が不思議そうに立っていた。
「銀ちゃん、どうしたアルか?顔色悪いネ」
「大丈夫だ……」
忘れちゃいけない。
忘れられない。
そう、気を抜けばすぐにでも出てきて、全てを壊そうとする夜叉に……
「させるかよ……」
「銀ちゃ、ん……?」
銀時は苦しそうに、でも狂美的(カオティック)に微笑んだ。
白き夜叉、夢を見る
(呑み込まれないようにするので手一杯だよッ!)