貰い物!

□泣き心
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気がついたら日向家からだいぶ離れたところにいた
よくこんなところまで自分は走り続けたものだ


「馬鹿みたい、」

喧嘩して、言い合って、家を出て、
これまでに夏美と喧嘩をして同じことが何回もあったが
こんなに胸が苦しくなったのは初めてだった


夏美が言った言葉も言ったときの表情も頭から離れない、苦しい

歩くのも億劫になってその場にしゃがみ込んだ
辺りにはあまり人気はない


「どうしようかなぁ」

家には戻りたくない
夏美と顔を会わせたくない
ぼうっと前を見ていると突然視界が暗くなった
感触は少し冷たくて柔らかい


「誰でありますか?」

殺気がまったくない
きっと自分の知り合いの誰かだろう

「ケロちゃん、驚かないとつまらないわ」

くすくすと女の子の高くて柔らかい声が聞こえた
懐かしさを思い出させる声に苦しい気持ちが少しだけ和らいだ

「プルルちゃん?」

「正解よ、」

視界が開け後ろを振り向くと微笑む幼なじみが立っていた
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