貰い物!
□遠い記憶
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「銀時、どうしました?」
「先生…俺は…どうしてっ」
「銀時落ち着いてください。ゆっくり、聞きますから」
自分が何を言おうとしてるのか分からなかった。
でも勝手に口は動いた。
「俺…気付いたら血まみれで、床には…」
脳内に記憶が蘇る。
血まみれの体で血まみれの刀を握りしめている俺。
その足下に誰かがいた。
俺のよく知っている、大切な人。
当たり前かのように、その人はぴくりとも動かない。
そこに幼少の高杉と桂がやってきて、俺を見てこう言った。
「ヒ ト ゴ ロ シ」
ヒトゴロシ。
ひとごろし。
人殺し。
俺は、人殺し。
大切な人を殺めてしまった、ろくでなし。
「う、わああアあっアア…」
嫌だ
思い出したくなかった
ずっと逃げてきたのに
あの記憶から
あの罪から
あの日から
消えてしまいたい
消えてしまいたい
誰とも関わりたくない
強く、そう思った