街〜in wako〜
□長助 〜作:おいどんちゅ〜 〜
「そうだっ、トイレだっ、トイレに隠れよう。」
長助は安住の地を求め、トイレに向かった。
ガチャ!
「うはっ」
トイレに入ると、目の前の光景に思わず声を上げてしまった。
トイレの中は、タバコの煙で埋め尽くされ視界が定まらない程だった。
ガチャ!
トイレのドアが開き2人の男が出てきた。
「ん?何だ先公じゃねーじゃん、誰だよおめぇビビらせやがって。」
茶髪のロンゲがタバコをスパスパ吸いながら言った。
「あ、じ、自分は1年5組の長助って者です。寝てたら教室から追い出されちゃって、へへへ・・・・」
長助はきょどりながらも低姿勢で話した。
「あっそぉ、でもお前がいきなり入ってくるからオレらびっくりして寿命が5秒ぐらい縮まっちゃったんだけど?」
もう一人の、黒髪のロンゲがガンたれながら言った。
「あはは・・・5秒ってなんすかそれ〜」
ガンッ!
黒ロンゲがトイレのドアを蹴っ飛ばし、怒りの表情で言う。
「テメーふざけんなよ?オメーのせいでオレらの寿命が縮んだんだよ!わかるかテメェよぉ?」
「は、はいぃすいませんっ!かんべんしてください。」
ガッ!
黒ロンゲが長助の胸ぐらを掴んだ。
「ひっ!」
殴られると思った長助は、目をつむって歯を食いしばった。
「マルメン買って来い、10分以内に。」
「へ?」
「あ、オレDr.ペッパーね。」
「へ?」
長助は、Wロンゲーズのパシリにされた事に気づいておらず、とてつもなくムカつく返事を返した。
「へ?じゃねーよテメェよぉ、マルボロメンソールとDr.ペッパー買って来いって言ってんだよ!それとも今ここで殺されてぇか?」
そう言うと黒ロン、略してクーロンは胸ポケットからバタフライナイフをカチャカチャ回しながら出し、長助に突きつけた。
「行くのか?行かねぇのか?」
「ひぃぃぃ!い、いきますぅぅ。」
長助はマッハ5くらいのスピードでトイレから飛び出した。
「はぁ〜まいっちゃうよなぁ〜。」
長助は、学校外の道をトボトボ歩いていた。
「10分以内なんて、無理にきまってんじゃん・・・はぁ〜。」
そうこう言っているうちに、学校から徒歩5分の便利ストアー、”坂下ショッピング”に到着した。
「え〜っと、Dr.ペッパーは・・・あ、あったあった。」
Wロンゲーズの茶ロン、略してチャーロンの買い物をすまし、クーロンのタバコを買うため外へ出た。
「はぁ〜、買って行ってもお金・・・返ってこないんだろうな〜。」
現在AM9:30
- A.「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ!買って行かなきゃ、クーロンに刺されちゃう!」
- B.「買って行ってもどうせお金なんか返らないし、またパシリに使われるだけだきっと…」
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