街〜in wako〜

□万 引男 〜作:おいどんちゅ〜 〜

イトーヨーカドーでなんかやるか。
あそこは惣菜も揃ってるし、最悪でも無料の試食品を食えるしな…

オレは駅を後にした。


駅から出ると、駅前に金髪やら茶髪やらの高校生がたむろしていた。
地元の高校生だろうか、交番が目の前にあるのに堂々と座りながら、くっちゃべってやがる。

オレはこの手のガキが大嫌いだ。
一人じゃなんにもできないクセに、集団でいる時はまるで自分が一番強いと言わんばかりにいきがり始める。

オレは奴等を嫌悪感たっぷりの視線で見ていた。

「あ!?テメー何見てんだよ!」

ゴミ共の中の金髪が俺の視線に気付き向かってきた。
「おい、おっさん。いい歳こいてガンくれてんじゃねーぞコラ!殺られてぇのか?」

お、おっさん!?このクソガキがっ、とっさにオレの最強の拳を放とうとしたが、グッとこらえた。

「い、いやぁ、素晴らしい金髪なのでつい見とれてしまいましたよぉ。」

とっさに争い回避の名台詞を放ってやった。これも、幾多の修羅場を潜り抜けてきたオレだからこその機転だ。

「はぁ?キモッ!お前キモいよ!ちょっとこいよ。」
金髪カスはオレの名台詞にむかついたらしく、オレの襟を掴んで仲間達の元へ連れて行こうとした・

バカめ…

「……ください…」

「あぁ?」

つぶやくオレに金髪カスが聞き返す…くらえ!

「助けてください!!助けてください!!」

オレは地面に座り、まわりに大声で助けを求めた。
名付けて“世か中攻撃”かつてこの攻撃をくらって逃げなかった奴はいない。

オレの声に気付き、交番から警官が走ってくる。

「テ、メ…このクソガァ!」

バキッ

「ぐは!」

金髪カスはオレの顔を一発蹴って逃げ出した。

「コラーッ!またんかーっ!」

警察官が不良達を追いかける。来るのが遅せーんだよ、この税金ドロボーが!

「大丈夫ですか?」

もう一人の警察官が話しかけてきた。
大丈夫な訳ねーだろーが!テメー等が来るの遅せーから、オレはこの高貴な顔にけりをもらったんだぞ!このダボが!

「あ、はい!だいじょうぶです!助かりましたよぉ、駅から出たらイキなりからまれちゃって。」

「あいつらは、和光高校の生徒だなまったく。」

「和光校?」

「ええ、あ、和光は初めてですか?」

「えぇ。」

「さっきの奴等は和光高校の生徒で、この辺りじゃケンカや万引き、恐喝…まぁ、ろくでなしの集まりの様な高校でして。気をつけてください、この辺りは他にもカラーギャングや夜には暴走族がウロウロしてますから。」

なるほどな、この街はなかなかデンジャラスな街みたいだな。
まぁ、幾多の修羅場を潜り抜けたオレにとっては庭みたいなもんだが。

「あ、はいどうもです〜。お仕事頑張ってください!」

オレは警官に一礼してその場を後にした。


さぁ、朝飯の時間だ。
イトーヨーカドーに入ったオレは館内案内に目を通した。

「一階は食品関係か…お?パン屋があるな。二階は用なし…三階はおもちゃか。」

さて、どこから攻めるかな…

現在A.M9:30
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