mukuro x hayato
□誕生日おめでとう (HappyBirthday)
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「はあ...」
机に頬杖をついて、溜息を吐いた。
俺は、愛しい骸の帰りを唯、ひとりで待っていた。
「まだかよ...」
暇で暇で、煙草を手に取ったが、その手はピタリと止まり、それを拒んだ。
理由は、骸が言ったからである。
『未成年が煙草なんて吸うものじゃないですよ...』
と。
「るせーな...。何でだよ...」
自分の手は、彼の言うことを聞くかのように、動かなかった。
小さく舌打ちをして、自分の両手で前髪を掻きあげた。
そして再度、溜息を洩らした。
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それから、何回溜息を吐いただろう。
骸が帰って来たころには、睡魔がすぐそこまで来ていた。
しかし、骸が来てくれたおかげか、睡魔は去った。
「...すいません...。はあ...」
骸は走って帰って来たようだ。
息があがっている。
「嗚呼...うん...」
目を擦って、もう限界だと思い、ベッドに身を投げた。
と、同時に彼が動いた。
時計を見て、後数秒で6/10になるのを確認し、カウントし始めた。
そして、「0」になったのと同時に、俺に優しいキスをした。
せっかく、帰って来たら俺からキスをしてやるつもりだったのに...。
先手を取られたな...。
俺はクスリと笑い、骸に自分の全てを捧げた。
骸は、全身全霊で俺を受け入れてくれた―。
俺は、最後、小さく呟いた。
『HappyBirthday。生まれて来てくれて、有り難う』
-END-