mukuro x hayato
□ぼくが君に与えるもの (The thing which I give you)
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誰もいない夜道。
誰かに追い掛けられて、俺は逃げていた。
誰かはわからない。
けれども。確かに追って来る。
走っている俺に対して、相手は早歩きで追って来る。
来る...来る...くる...くる...クル...クル...く...る...。
やがて背が壁に当たった。
本当に運が悪い。
俺は息を切らして、相手を睨みあげた。
しばらくして、相手の顔が露わになる。
その顔を見て、俺は驚愕した。
その顔は、骸であったから。
愛しい、愛しい、彼の顔。
しかし、いつもの彼とは違う。
何か、オーラが違うというか、雰囲気が。
やがて彼は口を静かに開いた。
「ぼくが与えるもの、何かわかりますか?」
俺は、驚いた。
気付けば、彼に押し倒されているではないか。
抵抗しても、手がびくともしない。
「あ...なっ」
再度抵抗を試みるが、彼の目をみて、一瞬、不覚にも恐れてしまった。
「ぼくは、君に愛も優しさも、強いて言うならば、癒しさえも与えません。
ぼくが君に与えるのは、恐怖・絶望、そして苦痛。生温い感情や感覚など物足りたくなるまで、ぼくの手に堕ちてしまいなさい...」
びくり、と震える体。
いうことを聞かない。
震えて、痙攣して、彼の言うままになっている。
気付けば、服の中に手を滑らせ、胸の突起を弄っている。
「あうっ...ぃや...」
思わず声が洩らせば、彼が興奮し出し、空いている手で秘所を弄り出す。
足をキツく閉じようとすれば、彼は再度開かせる。
態勢が恥ずかしくて、何も出来ない。
今、目の前にいる愛しい骸が、何故か今は怖かった。
「どうしました?ずっとしたかったんじゃないんですか?」
それは、嘘ではない。
最近、会えない、という理由で彼を必要としていた。
彼の行動は、エスカレートしていった。