窓から始まる物語

□6話
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 久しぶりに見えてきたネバーランドでさえ、ピーターの胸の痛みを取り払ってはくれなかった。

 ヒリヒリと軋むような、強い力で押されているような、そんな痛みがずっとピーターを苦しめている。

 遥か昔にも襲われた、心の異常。

 もう二度と感じたくないと思っていたこの痛みを和らげる方法はただ1つ。

 それは、ウェンディから1日でも長く離れること。

 それだって、体の異常だけは治してはくれない。

 慣れ親しんだ緑の匂いに包まれ、ピーターは小さく安堵の息をはいた。

 ただ、自分の体を眺めると、また顔を歪めてしまう。


「……また、だ」


 小さくなった服が、嫌でも伝えてきていた。

 ピーターはネバーランドに来てから2度目の成長をしていた。


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