文
□君は可愛い(銀土)
1ページ/2ページ
『なぁ土方〜。』
『あ?』
『ちょっと銀さんお願いがあんだけど。』
ジリジリと照りつける日差し。
潮風とリズムを合わせて、寄せては引く波の音。
波にはしゃぐ人々の声。
夏真っ盛りの午後。
俺と土方は海に来ていた。
そう、今日は土方の久々の非番。
『お願いって…何だよ?』
『かき氷食いたい、イチゴミルク味。』
『…………』
『かき氷食いたい、イチゴミル『うるせえよ!聞こえてんだよ2回も言うなボケがっっ!』
『あざーッス!ゴチになりまーッス!』
『っ……てめぇ…かき氷1つ買う金も持ってねぇのかよ、ちゃんと働けやゴラァ!』
『うるせえなぁ!無いんだよ!働きたくてもこの不景気じゃ仕事が入ってこねぇんだよ!誰か助けてくれよコノヤロー!』
『はぁ?なにが仕事入ってこねぇだ!てめぇのやる気が無いだけだろうが!甘ったれんな!』
『ひっでぇえ〜土方…そんな言い方しなくてもい〜じゃんかよ〜!これでも結構頑張ってるんだよぉお?』
わざと俯いて、しょんぼりしてみる。
するとーーー
『……ったく………まぁ、なんだ、その……わざわざ、バイクでここまで連れてきてくれた訳だし…あぁ、アレだ、ガソリン代の、代わりってことで…1個だけなら、お、おごってやる…ょ…』
土方が照れてる。
顔が赤い。
なんだよ、なんなんだよ、そのいちいち可愛いウブな態度はぁあ!
『ありがとな、土方はやっぱ優しいな。』
『はぁ?べ、別に、気づかってやってる訳じゃなくてだな、後からガソリン代よこせ、とか言われたら面倒だから…その…『はいはい、わぁーってるって、ほら、早く食おうぜ!』
だ〜か〜ら〜!
これ以上そんな可愛いトコ見せられたら我慢できないから!
特に夏の海だからね!
いつも以上になんやかんや盛り上がっちゃうからね〜コレ!。
でも恋人同士なら、やっぱコレはやりたい。
『土方〜、俺に食べさして、あ〜ん。』
『なっっ、な、何言ってやがんだ!んなことするかバカ!自分で食え!』
あ、また怒らせちまった。
でもさっきより更に顔赤いね〜。
超可愛いね〜。
可愛すぎるね〜。
やべぇ、にやけるの押さえろ、俺。
『あのなぁ、俺だって恥ずかしいよ?大の大人が、しかも野郎同士で、って。』
『………』
『でも好きな奴からあ〜んしてもらうの嬉しいじゃん!味も更にうまくなるってもんじゃん!はぁ〜、十四郎にあ〜んしてもらいたいなぁあ。』
『!!』
滅多に言わない下の名前で呼んでみる。
『し、しょうがねぇな…そんなにしてほしいなら、して、やる…早く食わねぇと溶けちまうし………あ…あ〜ん』
はぁぁ…
こんな可愛すぎる恋人がいて、銀さん幸せです!
終わり