遂にやっちまったなぁ…CSI合同捜査♪&よもやま話☆

□ベガス×NY合同捜査 修正済み
1ページ/38ページ

プロローグ


男は、熱心にその場所を地図で指差しながら語る相手を制した。「…で、肝心の物は?本物を見ない事には…」

「ええ、ここに…」と言いかけた目が大きく見開かれ…刹那、銃声が響く。

狙いすました一発。

だが、その音は辺りの特殊な物音にかき消され、人々の耳には届かない。

…地図が力の抜けた彼の手から離れ、風に飛ばされる…近くの葦に引っかかった。

犯人が前のめりに倒れた被害者に向け「お前が悪いんだ……そんな物を大事にして…もう少し利口になって見て見ぬ振りすれば良いものを…」と吐き捨て、身体を探る。

目的の物は、着ていたジャンバーには無く、ゆるゆると流れ出す血に染まった胸ポケットにあった。

弾が抜けて、壊れた小箱を取り出し中身を確かめ「…よし、これさえ無ければ…!」手袋をはめた手の中で、握りつぶして粉々にし…残骸を払った。

更に被害者の尻ポケットにあった携帯のデーターを確かめた。

自分と繋がる証拠は消しておかなければ…


まずは、電話帳と発信記録から自分の電話番号を削除した。

写真フォルダーに数枚撮られて保存されていたのも削除。

メモ機能は、覚え書きのようなもの。

スケジュール機能には、時間のみが記入してあった。

ロックが掛かって読めないデーターがある。

暗唱番号が分からないと解除できないので、バキッと力を込めて、携帯をへし折った「これで良い…」

他に財布と身分証を抜き取り、大きく腕を振りかぶって、それぞれ川に投げ捨てる。

強盗に遭ったと思わせられたら、それにこした事はない。

ポチャン…ポチャン…!

音を立て、次々と水に沈んで行った。

最後に地図を拾う犯人の男に冷たい風が吹きつけた。

彼は身震いすると、そそくさと、離れて止めてあった車に乗り、その場を立ち去った。


…僅かに意識を取り戻した被害者は、震える指で何かを書き始め…途中で力尽き…そして2度と動かなかった…。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ