遂にやっちまったなぁ…CSI合同捜査♪&よもやま話☆

□ベガス×マイアミ×NY合同捜査
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エピローグ


風の吹き渡る墓地。

雲1つない青空。

輝く太陽が眩しい。

1つの墓の前に立つホレイショ。

風に彼の髪がなびく…

ガーナーの言葉が胸によみがえった。

『麻薬で愛する者を失ったのは同じ…』

『奴らが憎かったんじゃないのか?』


そうだとも…

ガーナー、…俺が、この俺が…麻薬カルテルを憎まなかったと思うのか?

デルコの姉のマリソルが、末期ガンだと知りながら、妻にしたホレイショだった。

彼女に残された短い時を…ただ2人で一緒過ごせれば、それだけで良かったのに…

それさえも麻薬カルテルは奪った。

ボスのリアズは司法取引により、ブラジルに送られ、法の裁きは受けさせられない…


ブラジルはリアズの古巣だ。

そこで奴は、今ものうのうと生きている…


許せない

許せない…


…ガーナー、煮えたぎる憎しみの炎を抱え、生きているのは、何もお前だけじゃない…



ガーナーとホレイショは、いわば1枚のコインの面と裏。

1人は闇に堕ち、1人は最後の一線に、未だ踏みとどまっている…


まだ…


そうだ。グリッソムとマックが言う事は正しい。

私刑は許されるべきではない。

だが、ホレイショは自分の心が、危うい均衡の上にある事を知っていた。

空を見上げたホレイショ。


…この青い空はブラジルに繋がっている…

憎い男が今も生きるあの国へと…


ホレイショは墓の前に花束を置くと、石に刻まれた名前を指で辿る…。

“マリソル…ケイン”


彼は想いを込め、石にそっと唇を落とし…立ち上がった。

サングラスをかけると、きびすを返し、停めてあったハマーに向かう。


もう、その表情を窺い知る事はできない。

「…ガーナー、お前は神の前で、どんな申し開きをするつもりなんだ?俺達からは、のがれても、もう逃げ場所はどこにもないぞ…」




ホレイショとデルコが、ブラジルに向かったのは、それから間もなくの事である…。

THE END





※この話は、CSIマイアミ・シーズン4と5の間の時期になります。


又、州をまたがる事件はFBIの管轄ですが、笑って見逃して下さい。
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