遂にやっちまったなぁ…CSI合同捜査♪&よもやま話☆

□CSIよもやま話U☆季節外れのハリケーン
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マックは信じられない物を見た。




「泥棒!捕まえて〜!」と言う悲鳴に、反射的に声の方を見た。

チンピラ風の若い男が、年配の婦人からショルダーバックをひったくり、逃げて行く。

婦人は転んでしまって、通りすがりの人が介抱している。

マックが走りだすと、犯人が逃げて行く先に、1人の老婦人が杖をついて歩いて来るのが見えた。

まずい、あの勢いで老婦人とぶつかったら…!

危ない!と叫ぼうとした瞬間、老婦人が杖の持ち手で、ひったくり犯の足を素早く引っ掛けた。

自らの勢いでひっくり返った所で、すかさず鼻をパンチ!

「ぎゃっ!」
鼻血が出た男の股間を思い切り蹴り飛ばした。

「このロクデナシ!」と言いながら、倒れた男の急所を更に、げしげしと踏みにじる。

あまりの早業で、何が起こったかイマイチ把握できない。

「…!」ハッと我に帰り駆け寄った。


犯人は鼻血を出し、股間を押さえて呻いている。

声も出ない…同じ男として良く分かる痛みだ。

「あの…あまりやりすぎると、逆に訴えられますよ。」

男の手を踏みつけ、ショルダーバックを取り上げた老婦人「何じゃい、アンタは?」

マックはバッチを示し「私は、NY・CSI、マック・テイラー刑事です。」

キラッと老婦人の目が光ったような気がした。「おや、刑事さんかい。ちょうど良かった。このロクデナシを頼んだよ。アタシはまだ用足しがあるんでね。」まだ呻いている男をオマケにもう1回蹴飛ばすと、「…この男がアタシを訴える?80過ぎた老婆に、こてんぱんにのされたって?恥を晒すだけさね。それにこんな話を誰が信じると思うかい?」

確かに見ていたマックでさえ、信じられない。


マック「…確かに(苦笑)みっともなくて言えないでしょうね。」

老婦人「そう言う事(笑)。」ショルダーーバックを「ほい、バックだよ。」とマックに渡した。

被害者の婦人がヨタヨタと、こちらに向かって来ている。

老婦人は犯人に向かい「あんな年寄りから、バックをひったくるんじゃないよ!危ないじゃないか!骨でも折ったらタダじゃすまないんだよ!」

貴女はどーなんですか?とマックは思わず突っ込みそうになった。

老婦人「第一、若いクセに何だい。額に汗してお働き!」

…ごもっとも。

マック「良く聞いとけ。」と涙目で呻く男に言う。


老婦人「じゃあね。お後よろしく。」

マック「あ、お名前は?」

老婦人「ハリエット。又、会えるかもね、マック・テイラーさん。」と杖ごと手を振り、サッサと歩き出した。

杖なんか本当に必要なのか?といった足取りで。

マック「…凄い婆さん。」
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