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□フィラデルフィア編
B【オーブの一族】
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B【オーブの一族】
いきなり、リリーに殴られた顔を押さえ、目を白黒するギル「さ、詐欺師!?」気の毒に彼は唇が切れ血が出ていた。
リリーはそんなギルをジロジロと見て「よりにもよって…こんな熊髭のトロそうなオッサンが【勇者】?見え見えの嘘ばっかり!」
サラが怒って進み出る。「嘘じゃないわ!彼こそは【勇者】ギル!着ている鎧をよく見なさいよ!前の【勇者】も着てた鎧なんだから!マジックアイテムで、本物の【勇者】しか身に付けられないのよ!」
リリー「…見せて。」目を皿のようにして鎧を観察した。
精緻な造り…。
胸部の宝石も信じられない程美しい。
今度はギルから鎧を剥がそうとしたが出来ない。
ブラス「無駄だ。【勇者】の鎧は本人しか脱ぎ着が出来ない。サラが言ったようにマジックアイテムだからな。」
リリー「…!後は何がある?」
ギル「盾と兜だ。それまで身に付けてると、目立ち過ぎるんで馬車に置いて来たんだが…」
リリー「では盾と兜はどんな物?」
ギル「盾には緑の宝石、兜には青の宝石がついてる。」
「!」リリーは真っ赤になりギルに謝った。「た、大変失礼を致しました。本当に【勇者】様だとは…。」
ヴァレンズ「だから言ったじゃん…」
リリー「おだまり!」
ニックがギルに「ホイミ」と回復呪文をかけ、顔の傷を治してやる。
ヴァレンズ「…姉ちゃん、【勇者】の防具の事知ってたんだ…」
リリー「そうよ。」
ヴァレンズ「何で誰も教えてくれなかったんだ?」
リリー「ペラペラと大事な秘密をやたらに話すと思う?これは16の誕生日に聞かされるのよ。一生関わる事だもの。ちゃんと責任を自覚して秘密が守れる年齢でないと明かせないわ。アンタは短気を起こしてその寸前に家を飛び出したんでしょうが。」
ヴァレンズ「…。」
リリーはギル達に向かい「皆さん、失礼しました。狭い家ですが、どうぞ中にお入り下さい。」と扉を開けた。
ギルが家に入る時、ちょっと躊躇い「…あのー…、【勇者】ギル?…失礼ですがお聞きしても?」
ギル「何か?」
リリー「その…【勇者】ってそんな体格の人が条件なんですか?」
やっぱり姉弟、思考回路が似ていた。
ギル「いえ。この鎧は自ら私に合わせてサイズを変えましたよ(笑)先代【勇者】は私より細身だったようです。」
リリーは耳まで真っ赤になった「……重ね重ね失礼を…ちょっとヴァレンズ、何笑ってんのよ?」
ヴァレンズ「…別に。」
入った家の中は実にシンプル。
通された居間の窓の下に長椅子が一つあり、他には食卓テーブルに椅子。
来客用にだろうか、部屋の隅に椅子が幾つか重ねてある。
本が並んだ棚と物入れ。
どちらかと言えば、家具も安っぽい。
花瓶に差した花だけが部屋に彩りを添えていた。
ヴァレンズが椅子を並べ、ギル達がそれぞれ座る。
一同にお茶を出したリリーにヴァレンズが聞いた「…あれ?そういえば、オヤジは?」
リリー「…居ないわ。なによ、この親不孝者!」
真っ青になったヴァレンズ「まさか…。そんな…。」
そこに扉が開き、大柄でガッチリした体格の男が入って来た。
居間にいるギル達を訝しげに見た「…只今。あれ?リリー、お客さんかい?」
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