江戸村でござる

□お江戸物語*才蔵とお艶I第3部
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目を丸くするお艶「全員?ホント?」

佐七「ああ。全員牢屋だ。」

才蔵が口を挟む。「じゃあ、伊丹も?」

佐七「おう。野郎、バッタにビビって、年貢の納め時になったぜ。」

才蔵「…はい?」

お艶「…バッタ?」

佐七は、鳩村と一緒に伊丹を罠にかけた事を話した。

お艶はパチパチと拍手し「小父さん、すごーい!格好良い!」と手放しで賞賛する。

佐七はニヤニヤしながら倅をからかった。「…ほれ、才ちゃん、聞いたかよ?お艶坊が俺の事格好良いってよ。」

才蔵「…別に。岡っ引きは格好良いだけじゃの仕事じゃないだろ?」精一杯見栄をはったが、内心面白くないのはバレバレ。

佐七「ほー。…言うようになったじゃねぇか。確かにお前の言う通りだ。格好良いだけじゃねぇやな。汚れ仕事や、張り込みや、時には女装したりもしなきゃ。な?才ちゃん。」

途端にわたわたと慌てる才蔵。

お艶「…女装?」

佐七「まあ、岡っ引きは犯人を捕まえる為なら色々やるって話さ。」

「…大変なのね。」と感心したお艶は、才蔵の顔をつくづく見て、「…そうね。才蔵さんなら、女装が似合いそう。」

才蔵「!」


佐七は爆笑し、腹を抱えた。
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