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□第2章 フィラデルフィア編
@課せられた重荷
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物見高い村人達が、まだギル達を見ている。
ブラス「…村の様子を見ると、他のを装備しないで正解のようだな。盾や兜まで揃ったらもっと大騒ぎになるぞ。」
ギルはさすがに盾や兜まで装備していると悪目立ちするので、馬車の荷物入れに見えないように隠し、最後にサラが馬車の扉を魔法で封印したのである。
次に馬車ごと盗まれたら困るので、納屋の戸を同じく魔法で封印した。
これで馬車を盗もうと思ったら納屋を解体するしかない。
女将さん「ようこそ。最近はモンスターのおかげで、旅の人も少なくなったけど…皆さんどちらからですか?」
ギル「マイアミからです。」
女将さん「ああ、あそこは、有名な騎士団があるから治安が良いってねぇ。」
ニック「そうだよ〜(笑) 有能な騎士が多い。まぁ、例外はあったけどさ。」
馬の世話を終えた主人が戻って話に加わる。
女将さん「あんた、お客さん達はマイアミから来たんだって(笑)」
主人「マイアミ?最近はモンスターで旅も大変なのに、お客さん達は強いんですねぇ(笑)」
出された料理が思いがけなく美味で、皆喜んで食べている。
その様子を窓の外から窺う目があった…。
ギル「ご馳走様(笑)それで女将さん、私達はフィラデルフィアへ向かっているんだが、ここから後どの位かかるかな?」
皿を片付ける女将さん「フィラデルフィア?そうねぇ、5日位かしら?…でも途中の山に山賊が出るんですよ。旅人を襲っているんですって。…全く…モンスターだけでも頭が痛いってのに…。」
キャサリン「ロクデナシ…!」
その口調にビビる男性陣。
女将さん「全くですよ。ホント、マイアミ騎士団みたいのが居てくれたら…。」ため息をついた。
ギル「闇が濃くなるとモンスターだけでなく、人の心の闇も濃くなるのかな…。」
ブラス「…襲ってくるなら、その時こそ奴らの年貢の収め時だ…なぁ?キャサリン。」
キャサリン「当然!」
女将さん「噂によるとね、なんだか最近凶暴化してるんですよ…頭目が変わったらしくて…特に女性はタダじゃすまないって…」
キャサリン「ますます出会ったらタダじゃおかないわ。心得違いを教えてあげる良い機会ってものよ(笑)」とニッコリ。
主人「いやあ、頼もしいですね〜(笑)」
冗談だと思ったらしい。
だがキャサリンが本気なのを、仲間達はイヤと言う程分かっていた。
食事の後は、入浴しそれぞれ部屋に引き上げる。
部屋が何となくムシムシする感じがしたギルは、窓を少し開け空気を入れ替えた。
入る風が気持ち良い。
ギルは椅子に腰を下ろし、昆虫図鑑を読み始めた。
そんな彼を窓の外から窺う影があった。
だが夢中で図鑑を読んでいるギルは気がついていない。
一本の腕が窓枠にそっと小さな器を置いた。
ごく薄い煙が立ち、風に乗って部屋の中に流れて行く…
バサッ!
しばらくしてギルの手から図鑑が滑り落ちた。
彼はぐっすり眠ってしまっている…。
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