CSI×ごちゃまぜ☆海外ドラマ×ドラゴンクエスト☆彡

□フィラデルフィア編
B【オーブの一族】
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ヴァレンズ「あっ!ヴェラ!」

ヴェラ「!お前!もしかしてヴァレンズか!?」

リリー「ヴェラ、そうなの。この放蕩者が帰って来たのよ。…父さんは?」

ヴェラ「今、連れて来るよ。医者によれば、又悪くなってる。」

ヴァレンズ「え!オヤジ、生きてんのか!?」

すかさずヴァレンズの頭を殴るヴェラ。

ゴン☆と鈍い音がする。


ヴェラ「家に帰るなり、なんつー事を言うんだ、オマエは!」

ヴァレンズは涙目で頭を押さえ「だ、だって、姉ちゃんが『オヤジは居ない、親不孝者!』なんて言うから、てっきり…!。」

リリー「【今】は居ないってイミよ。第一、親不孝は事実じゃない。大体アンタねぇ、『何時までもあると思うな、親と金!』『孝行したい時に親はなし』って知らないの?間に合ったのは、ホント、運が良いんだからね!」

「おお〜!」一斉にギル達は拍手する。


ヴェラ「…で、リリー、一体この人達は?」

リリー「【勇者】ギルとそのお仲間よ。彼は従兄弟のヴェラです。」

さっとヴェラが険しい顔でギル達を見た。「【勇者】だと?まさか…また…。」

リリー「大丈夫よ。とにかく父さんをお願い。父さんも同席した方がいいわ。」

「ああ、そうだな。」ヴェラが出て行き、すぐにギルと同年輩の男を背負って戻って来た。

青ざめてやつれた顔…見るからに具合が悪そうだ。


リリー「父のスティルマンです。」

スティルマンは歩く事も出来ないらしく、ヴェラは長椅子に彼を横たえ楽な態勢になるよう、クッションなどを身体に当てがった。

スティルマン「リリー、お客さんかな?こんな格好で失礼します。身体の具合が悪くて…。」

ギル「いいえ。こちらこそ大勢で押しかけ申し訳ありません。」

リリー「父さん、分かる?あそこの彼…ヴァレンズよ。」

スティルマン「!」

おずおずと立ち上がったのは、確かに成長した息子の姿。

スティルマン「…ヴァ…レン…ズ」とかすれた声で名前を呟いた。

今も耳に残る『…なんで駄目なんだよ?…オレ、婆ちゃんと約束したの知ってるクセに…!』哀しい言葉…。

『オレ…オヤジみたいな…そんな生き方は嫌なんだよ。』忘れられない反抗的なその眼差し。

息子の夢も才能も知りながら、それを無惨に止めなければならない【オーブの一族】に課せられた責任。
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