小説
□descendant 2
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外の様子がおかしい―…
従者達も慌ただしく周りの荷物を最低限にしてカバンに服、食糧を詰め込んでいる…。
十も満たない自分には何も理解していなかった―…
…―ただ、
――母が震える手で俺を握っていた――
「奥様っ!早くお逃げになって下さいっ!!奥様!」
「そういう訳にはいかないわ。こうしている間にも夫が…っ!」
―バンッ―
ここの兵士らしき人が血だらけで入ってきた…。
「……ハァ、…お、お逃げくだ、さい…。じきに敵兵が…こちらに、ぐぅ―っ!」
兵士は倒れてしまった。
母が兵士に歩み寄り母に何かを言った後、その兵士かは息絶えた。
母は再び震える手で俺を掴み残った従者と城を後にした…。