長編
□5話 リベンジ開炎
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そんな時。
秋原町では謎の連続発火事件が頻発していた。電気屋のエアコンからとんでもない熱風が出たり、銭湯のお湯が有り得ない程上がったり、アイスクリーム工場ではアイスが溶けアイス津波が起こった。
そしてこの事件は全てヒノケンとファイアマンが熱斗達へ向けた挑発だった。
だが。
「まったくメイルちゃんは!」
『まったくロールちゃんは!』
「あんなに怒んなくても良いだろ!!」
苛々しながら熱斗はトースターで焼き上がったトーストをかじった。トースターも影響を受けトーストが丸焦げになっているのだが、怒りのせいで熱斗はそれに気付いていなかった。
「何故だ!何故、光 熱斗は俺の起こす事件に気付かない!?」
必要のない時はすぐ嗅ぎ付けてきやがるクセに!!とヒノケンはデスクを叩いた。
ファイアマンも先程は怒りのせいもあって勢いでやってしまっていたが、暫くして冷静になってきた頭でよくよく考えてみた。
『あの…ヒノケン様』
「…」
『ヒノケン様?』
「………何だ!?」
思いきって考えた事を口にしてみた。
『あの…やはり、本人に直接言わなければ伝わらないのでは…?』
単純と言えば単純、当前と言えば当前の事だ。流石にこんな当たり前の事を言ったら気分を害されてしまうかな、とファイアマンは心配していたのだが。
ファイアマンの言葉を聞いて、ヒノケンが俯いていた顔をバッとあげた。
「なるほど!!」
『…あの…まさか、気付いていらっしゃらなかったので…』
「ようし!その作戦で行くぞ!!」
『ひ、ヒノケン様…』
本当に気付いていなかったようで、怒られなくて良かったと思う半面、言っておいて良かったとファイアマンは苦笑するしかなかった。
今だ熱斗に笑われて苛々しているメイルはデカオとゲームセンターへ来ていた。
ロール達もゲームセンター近くの電脳広場に来ていた。
「ロックマンがあんな酷い事を思ってたなんて!!」
ロールも今だに怒りがおさまらないようだ。
「ロックマン、酷い奴」
ガッツマンはやはりロールの肩を持つだけのようだ。
「ロールちゃん落ち着いて。ロックマンがロールちゃんをそんな風に言う筈ないって」
ナディアは何とか二人を仲直りさせようと、ロールを宥めようとしていた。
するとロールはナディアの方をキッと見た。その迫力にナディアはビクリッとした。
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