□まだまだ未熟者。
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「あ゙〜暇だ…」

『暇だナ〜…』

建物の屋根の上で族に言うヤンキー座り(笑)をしながらグリード(とリン)は、つまらなそうに街を見下ろしていた。

「何か面白え話しとかねえのかよ」

『ムチャブリ〜。あったらとっくに言ってル』

「だあよなあ〜…」

今の所自分達だけ予定が空いてしまったが、特にやる事もないし、珍しくまだリンの体は空腹を訴えていない。…ので現状にいたる。

『あ〜本当に退屈ダ〜…』

「このままボケ〜ッとしててもなあ〜…。………おっ?あれお前んところの姉ちゃんじゃねえの?」

『え!ランファン!?ドコッ!!?』

「ほらあそこだ。…やっぱあの姉ちゃんだよなあ?」

人気のない路地に目を向けると、こちらをじいっと見ている怪しいお面をつけた人物。間違いなくランファンだった。

「何もあんな所から覗くような事しなくても…って今俺様だからか!」

嫌われてっからそら近寄らねえよな!ガッハッハッハ!とグリードがのんきに笑っていると。

『グリード』

「あ?」

『代わレ』

「何で代わんなきゃなんねえんだよ」

『代われっテ』

「嫌だね。体持ち逃げされたらたまったもんじゃねえ」

『元々俺の体だろうガ!代われヨ!!』

「嫌だ」

『代われってバ!!』

「断る!」

『好きな女と話しくらいさせロ!!!』

リンのその一言に今まで拒否し続けていたグリードは目を丸くして一時停止した。
リンの方は(魂の)中で真っ赤になりながら、悪いかコノヤローッ!!とヤケクソ気味に叫んでいた。

「………ぶっ!ガッハッハ!やっぱお前そういう事か!?そうかそうか!ガッハッハッハ!!」

『あああ〜〜〜もう煩イ!わかったら早く代われってバ!!』

「ガッハッハッ!はあ〜!…ククク、そういう事なら好きにやんな。イイ退屈しのぎになりそうだ♪」

物凄く楽しそうにそう言うと、グリードはすぐにリンと主導権を交代した。
意識がリンに代わった途端顔が真っ赤になって、何とも悔しそうな顔をした。

「ったくモォ〜!」

『面白い展開を期待してるぜ〜?♪』

「うっさイ!!」

そして屋根から屋根へ飛び移り、ランファンの元へ向かった。

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