□太陽のような月のような。
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言われた通りに買い物から戻って来たドルチェットは、扉を開けて店の中を見た途端に呆然とした。正確には店の中にいるある人物達を見てだが。
この店デビルズネストの、そしてドルチェット達合成獣の主グリードと。ドルチェットと同じく合成獣で仲間のマーテル。
グリードはいつもの特等席のソファーに座っているのだが、その膝の上にはマーテルが向かい合うように座っており、しかもグリードがマーテルの両頬を掴んで、

互いに見つめ合っている。

はたから恋人同士の見つめ合い、またはキス五秒前に見える。

「………!」

まてまてまて。これはどういう状況なんだ?何?グリードさんついにマーテルにまで手出した?何で見つめ合ってんの?ほら普段見慣れないパターンだからいつもはスルーしてる周りの連中すらチラ見してるよ!何これ何のプレイですか!

「…ん?お〜おかえり〜ドルチェット」

「ちゃんと買ってきた?」

「買い物は問題ねえけど目の前の状況が問題ありです…」

それは何をしてるんですか?とドルチェットが聞くと、グリードとマーテルはまた顔を見合わせてからギュッと軽く抱き合うと。

「マーテルとイイ事しようと思ってんノ〜」

「そうヨ〜」

「はああ!!?」

二人共無表情で棒読みなのだが、混乱しているドルチェットには気付く余裕がない。

「愛し合ってるもんナア〜?」

「そうですヨ〜」

魚のように口をぱくぱくさせているドルチェットを見てグリードは一旦顔をドルチェットとは反対方向に向けて…、

笑いを堪えていた。

気の毒になってきたのかロアがドルチェットの肩をぽんぽんと叩く。

「気付け、嘘だ」

「は?」

マヌケな声を聞いて限界だったのか、そっぽを向いていたグリードが大爆笑した。

「バッカね〜。グリードさんと私がそんな関係だったらとっくに食べられてるわよ」

あんたみたいに。とマーテルが付け足すと、段々冷静になってきた思考とともに顔に熱が集まってきた。
そんなドルチェットを見たロアが背中を優しくぽんぽんと叩いて慰めた。

「ガッハッハッ…っあ〜!腹いてえ〜!」

「グリードさん、そろそろ止めてやらないと馬鹿犬が拗ねて部屋の角で丸くなりますよ」

「ならねえよっ!!」

「だって面白えんだもんよ」

相変わらず爆笑しているご主人。
ドルチェットとしては踏んだり蹴ったりだ。

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