長編
□5話 リベンジ開炎
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某所の某宅。
窓もカーテンも閉めきった薄暗い室内。一人の赤い髪の男がPETを握りしめ、怒りや憎しみに近いその感情に肩を震わせていた。
「光 熱斗とロックマン…、あんなガキ供にやられっぱなしでいられるか…っ!!」
「ナディア…、あんな女なんかに何度も邪魔されてたまるか…っ!!」
オペレーターだけでなくPETの中のナビも同じように憤っていた。
「やるぞ、ファイアマン」
「はい、ヒノケン様」
奴らを今度こそ叩き潰す!!
二人は怒りの炎をメラメラと燃やしていた。
「あのガキ供に」
「あのアマに」
復讐だっ!!
秋原町にある美容院。メイルはセットドライヤーで髪型をセットしてもらっている真っ最中だった。メイルのPETの中では、ロールとナディアが楽しくお喋りをしていた。
今回も女の子だけのお出かけを満喫していたのだ。
『でね〜?そしたら私がね〜…』
『あっはは!ナディアったら!!』
そんな楽しい時間を過ごしている中、メイルのセットが終わったよう………だったのだが…。
美容師がメイルのセットドライヤーを解除した瞬間、美容師は驚きの声をあげた。
「ん?」
『メイルちゃん?』
『どうし…』
・・・。
『『あああ〜〜〜〜〜っ!!!』』
次の日。メイルは学校に帽子を被って登校した。
「メイルちゃん?何で学校で帽子被ってんの?」
「っ!!へっ!?あの…」
熱斗が疑問に思い声をかけるとメイルは肩をビクリとさせた。
「かっ可愛いでしょう?流行ってるの」
「え〜そだっけ?………」
どうも怪しいと感じた熱斗は、あれ何だ?と何もない場所を指差し、メイルの気を反らせた。
メイルの意識がそちらを向いた瞬間、すかさずメイルの帽子を奪い取った。
「あっ…!!」
「あ…」
メイルの頭を見ると…。髪の毛の毛先という毛先がクルリとカールしてしまっていた。
メイルは急いで手で隠そうとしたが、もう後の祭り。それを見た熱斗は大爆笑した。
「うははははははっ!」
メイルが顔を真っ赤にしていると、デカオとやいとがやってきた。
「何馬鹿みたいに大爆笑してるのよ」
「め、メイルちゃん。それどうしたんだ?!」
「美容院のセットドライヤーが壊れちゃって…」
相変わらず大爆笑する熱斗に、俺のメイルちゃんを笑うな!と注意するデカオだが、やはりおかしいのか笑いを堪えていた。熱斗のように堂々とは笑っていないが、やはり笑っているのはかわらない。
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