君へ綴る四季

□春
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「浩也じゃん!」

「また同じクラスだな」

「お前一年の教室だろー?」

新しい教室に入ると、ロッカーに寄り掛かってたむろしていた男友達がふざけて脇を小突いて来た。

「うっせーよ」

俺はそいつらにお返しで脛に軽い蹴りを入れた。

また同じクラス。
その言葉通り、眺めてみると教室の中は一年の頃の延長上の様な雰囲気だ。

そう感じる俺も、一年の時と変わらずそんな感じで友人と笑い合っている時
俺達より少し離れた、よく日の当たる窓際の席に目が行った。

そこには焦げ茶色の髪をショートにしていて、
その高い身長を小さく屈ませ居眠りをしている見覚えのある後ろ姿があった。


「朝からなーに寝てんだよ、壮治」


俺はそいつに忍び足で近付き、思いっきり腕に埋もれた頭をひっぱたいてやった。

壮治がうめき声を上げて俺の方に眠そうな顔を向けて来る。


「ってぇ……お前と違って造りが繊細なんだよ」


壮治の余裕で生意気な口調はいつ聞いてもムカつくけど、同時に何故かホッとする響きがある。
きっと八年友達してきた効果かもしれない。


俺はもう一度壮治の頭を叩いた。

「相変わらずムカつく奴だな……あ、真代の奴四組だってな。せーせーしたし!」

壮治は俺が奴の隣に座るのを頬杖突いて待っていて
その後興味無さそうにぽつりと呟いた。





「少しは変化が欲しいんだろ、先生も」
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