4000年彗星
□またひとつ、傷痕は
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なあ馬鹿みたいだよな。
痛いんだよ。
苦しいんだ。
泣きたくなる。
なんで届かないんだ。
「――…でさ、その後クラトスが助けに来るんだ」
鞘から抜いて。
「この旅で初めて会った時みたいに」
切っ先を向ける。
「そんで…大丈夫かって」
さく。
「…心配して、くれて」
じわり。
「あと…少しで 手がとどく…そうおもったら」
ぽたり。
「めがさめる……っ」
実体の無い綺麗な剣で俺を突き刺すのは、
「……ク…ラトス…」
飾りをつけない恋をした、君だった。
またひとつ、傷痕は
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