変革する宇宙で

□戦いの中に
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「……な…刹那…起きて刹那」

「…?」

ゆさゆさと肩を揺すられ重い瞼をひらくと、目の前に沙慈・クロスロードの顔があった。

「こんな所で眠ったらだめじゃないか」

「…違う、お前が整備を手伝ってくれると」

…手伝ってくれると聞いてコックピットの中でそのまま眠ってしまっていたのだ。

すると沙慈は微笑み、

「何が違うの?」

そう言って、

「……」

今度は悲しげな表情を見せた。

「また、人を殺してきたんだね」

「ああ。そうだ」

「刹那」

「そんな俺に笑いかけるのか?」

「え?」

「再会して、俺がCBのメンバーだと知った時、お前は俺に敵意を向けていた」

「矛盾してるってわかってるんだ。でも君を憎み続けるのは」

「俺は構わな、」

「初めて会った時の事、覚えてる?」

「…な」

(なぜそんな話に…)

「隣の部屋に同年代の子が来たから、友達になれたらって思ってたんだ」

「……」

「…何て言ったらいいのかな。マイスターとかじゃなくて、一人の人間として嫌いになることは…できなくて」








争いを起こした。

恋人を傷つけた。

姉を殺された。

僕の世界を大きく変えていく。

でも、それでも、

何度否定したかわからない。

何度想ってしまったかもわからない。








いつの間にか、

憎いが

憎まないと

に変わっていたんだ。



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