C l a p
□Love basket
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Love basket
「なぁなぁ、キャプテンの内波先輩とコーチの成斗先生妙に仲良くね?」
「あー、言われてみれば…。」
「俺さ、前見たんだけど休憩中に倉庫であの二人キスしてるっぽかったんだけど。」
「Σえ!マジで?!」
休憩時間、俺の耳に入って来た。
何人かの俺の受け持っているバスケ部の声が。
倉庫でのキスってかなり此所最近の事だと思う。
見られてたのか?
「成斗、どうかしたか?」
ハッとして顔を上げると噂にされている鎖介が居た。
俺は数ヵ月前から鎖介と付き合っている。
体育大会後にまさかの告白をされて二つ返事で俺はOKしたのだ。
仔犬みたいにキョトリとした大きな子供。
「鎖介ってば休憩中にコーラ飲むなって何時も言ってるってばょ。」
「俺が飲み物はコーラって事成斗が一番良く知ってんじゃん。笑」
「運動中の炭酸は駄目なの。没収。」
「Σえ、ちょ!俺それがないと生きて行けねぇし!バッテリー切れるって!!ι」
取り上げたコーラを取り替えそうと夢中になる鎖介が可愛くてどうしようもない。
本当に、好き。
「ホラ、休憩終わり!キャプテン次のメニュー。」
時計を見て鎖介に指示をする。
ムッとした様な表情を浮かべた鎖介に微笑んで
「心配しなくても飲んだりしないしちゃんと練習終わったら返すから」と一言。
何時の間にか頭一つ分高くなった鎖介に自然と上目遣いになるのか。
鎖介からの目線もちょっと高い。
「分かった。」
と真面目に返事をした鎖介。
は
「コーラの代わりにお前からバッテリーを補充する。」
真顔で俺に言った。
暫しフリーズしてしまう俺の脳内。
今鎖介は何を?
コーラの代わりに俺から?
補充?
「ごめんなさい、君のコーラは今直ぐ返します。ι」
「もうコーラなんて要らねぇ。先生が欲しい。」
「内波君、笑えない冗談は止して下さい。ι」
「本気だ。」
そう言って鎖介は俺の躯を支えると部員が見ている中堂々と口付けた。
胸板を押して抵抗を試みるがビクリともしない。
せめて此所で舌だけは入れさせまいと唇を固く閉じていると裾から手が入り込んで来た。
其処の攻略を忘れていた事に今更気付くも、鎖介の手は俺の胸を愛撫し始める。
こんな所では絶対反応したくないのに、身体は正直で昨日の余韻が…
「っふ、や……。///」
僅かに開いてしまった唇に鋤かさず鎖介の舌が潜り込む。
同時に乳頭を指でこねられて。
「ん、ふぁ…。///」
ちゅ、くち…
クリクリ…
「はぁ…ン、やっ……ぁ、あん。///」
ゴトリ。
力が抜けて手に持っていたコーラのボトルが落ちた。
同時に支えられていた手を放されてフロアに崩れ落ちる。
はぁはぁと少し荒い息を吐く俺。
「補充完了。先生、練習始めますょ?笑」
俺をこんなにした張本人のキャプテンは満足気に笑いながらボールを取った。
「…成斗、そのコーラ全部飲んで良いぜ?笑」
部員に指示しながら鎖介が俺に声を掛ける。
誰が飲むか、捨ててやると意気込んでいる俺の元へ何時の間にか鎖介が立って居た。
それから俺に合わせる様にしゃがんで鎖介は耳元で
「…お前が考え込んでいた理由って此だろ?もう公認したし、安心しろょ。それに成斗のあー言う顔嫌いって言うか…お前らしく笑って居る方が好きなんだ。」
年下の癖に大きな手で頭を撫でて
年下の癖に格好良い顔で笑いやがって
莫迦って小さく毒吐きながら俺はコートに戻る大きな背中を見送った。
「…あんなのが好きって言う俺って重症なのかな?」
俺の好きなアイツのコーラのボトルを開けてコクリと一口咽喉に通した。
―end――…