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□瞬く星に。
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瞬く星に。




毎年7月7日になると木の葉の大通りに大きな竹の木が飾られる。
その木には子供から大人、忍も一般人も多くの人が短冊に願い事を書いて笹に付ける。
俺は今年の短冊に書く事は前々から決めていた。
子供の頃は毎年「絶対火影になる!」って意気込んで書いて吊るして。
そして星に願った。


「あら、ナルト!」

「サクラちゃん!」


声がした方を振り返るとサクラちゃんとサイが居た。
二人が一緒に駆け寄って来る。


「サクラちゃんも短冊付けるってば?」

「えぇ、ナルトは?」

「バッチシ付けるってばょ!」


ニシシと笑って俺は言った。


「願い事何にしたってばょ?」

「私は『サイとずっと一緒に居られますように。』って、こんな事サイの前で言わせないでょ!///」


恥ずかしそうに頬を火照らせるサクラちゃん。
サクラちゃんとサイは少し前から付き合い始めたらしい。
サクラちゃんを見てると本当に幸せなんだなって思った。


「サイも同じだってば?」

「うん、『サクラを幸せに出来ますように。』」

「うはー羨ましいってば!」

「それから―――…」


サイを囃し立てている俺にサクラちゃんが付け足して言った。


「『サスケ君を連れ戻す。』此は願い事なんかじゃないゎ、絶対ょ。」

「僕も同じ事を書いたょ。」

「うん。」


俺もサクラちゃんもサイも
思う事は一つ。
『絶対サスケを連れ戻す』
此は皆の決意。
星の力も借りて俺達はサスケをこの場所へ連れ帰るんだ。
絶対に―――…


「ところでナルトは?私達に言わせておいて自分は言わないなんて事ないわょね?」

「俺は『火影になる!』昔から変わらないってばょ。」

「本当に?」

「うん…本当。」


俺は後ろ手に大事に持った赤い短冊を軽く握った。
勿論『絶対火影になれますように。』と書いた事は嘘じゃない。
でも本当の願い事はその裏に書いた。


「付けに行きましょ。」


願い事を掛ける木に向かって走って行ったサクラちゃんの後をサイが追い掛ける。
俺は立ち止まった儘自分の短冊を見つめるとそれに少し照れながら空を見上げた。
幾千もの眩く瞬く星達に心の中でもう一度願い事を読み返した。






『サスケにこの気持ちが届きますように…。』






「っし!」


俺は頭に大好きなアイツの事を思い浮かべて二人の後を追って駆け出した。




―end――…





 
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