「ひーくん、見てー!」
甥っ子の翔ももう小学生や。
そら俺も高校やしな。
帰宅したら途端に玄関で
いきなり何事かと思えば、
ランドセル自慢が始まった。
そーいや、今日おかんらと買いに行く言うてたっけ。
そんな事を思いながら冷ややかな目で見てやる。
最近のランドセルはえらいオシャレなんやな。
装飾とか半端ないわ。つーか、いらんやろ。
「ひーくん、これな!ばぁちゃんに買うてもろたんや!」
「…へぇ。」
「かっこええやろ?!」
キラキラした目で見てくる翔に
俺は相も変わらず冷たい視線を送る。
「ひーくん!聞いてる?!」
『光!?聞いてんの?!』
翔の言葉と部活終わりに彼女に言われた
言葉がリンクしよった。
思わず笑ってもうたやないか。
「翔、お前、おっきくなったなぁ」
ちょっと前までまだまだガキやと思てたのに
いつの間にか、こんなもん背負って。
翔の頭を撫でてリビングに入ると
家族の賑やかさが待っとった。
あー、今日も俺ん家は平和やな。
今日も我が家は平和っすわ。
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