暁-Akastuki-


□スクールデイズ☆
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無気力な教室に響く昼休み開始チャイム。
面倒なことになる前にさっさと出て行こ。




スクールデイズ☆






「治」
「…………」
「治」
「…………」
「起きろボケ殺すぞ」
「!いった京介!いたい!」
「2回言うなうざい」



優しいに言いよる内に起きんドアホが悪いんじゃ。

机に項垂れてなかなか起きん治の横腹を思い切り蹴ってやった。やかましい音立てて崩れ落ちる治が若干涙目になっとんは置いとくとして。



「治、お前はよ柊起こして来い」
「京介は?」
「終迎えに行って来るけぇ、
 2人で先に屋上行っとけ」
「飯は?」
「購買で菓子パン適当に、」



選んで買っとけ。
言い掛けた瞬間、声が喉奥に詰まった。

廊下からばたばた走り回るでかい足音。
着実に迫ってくるその足音に思わず出る溜息は今日に限ってのこととは違う。治もあーあ、とか他人事みたいな独り言呟きやがるもんやから、



「治」
「んぁ?」
「お前後で覚えとけよ」
「なんでオレ!?」



足音がC組の壁向こうから聞こえる。
音が耳孔を擽ったんか、窓側の席でうつ伏せに寝とった筈の柊の明るい頭が起き上がるんを、視界の隅っこで捉えることが出来た。





開いた廊下側の窓から見えたんは、
全速力の風に靡く夕焼け色の、






「暁ィー!
 女の子にいらん事しよらんかぁー!」







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