09/26の日記
20:14
脱色部屋(5D's夢主)
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「旅禍が侵入したぞ!!」
護廷内に響く誰かの声。
誰のものかわからない声に周りの死神たちは目を見開く。
当然、食堂で不機嫌な雰囲気をまき散らしていたカリアもその1人。
「旅禍って…
市丸隊長が追い返したんじゃないのか!?」
あわてて食器を食堂のおばちゃんに返し、斬魄刀を片手に飛び出す。
十一番隊は他の隊と違い、戦闘部隊ゆえに常に帯刀を許されている。
だからカリアも斬魄刀を身に着けているのだ。
「イスズ!」
「…あ、お兄ちゃん…」
「旅禍が来たそうだ、youは危ないから4番隊に避難していろ。」
「…う、うん…」
慌ただしくしている死神たちの中、たった一人おどおどしている妹。
彼女は初めての緊急事態で頭が混乱しているのだろう。
何をしていいのかわからず廊下の端で立っているだけ。
そんな妹の頭を撫でたカリアは空を見上げた。
「ったく、こんな時に……!」
ルキアの極刑が決まり、フィーネと二人で策を練っていたというのに。
極刑の時間が刻一刻と迫っている中で旅禍の騒ぎ。
大切な時期に邪魔者が入ることがどれほどうっとうしいものか。
外に出たカリアは空を見上げたまま光を追う。
1つの光は護廷を守る結界により砕け散り、4つの光に別れた。
あの光すべてに旅禍がいる。
「ここから1番近いのは……!」
瞬時に判断したカリアは瞬歩でそちらに向かう。
次々に流れる景色。
慌ただしくしている死神たちの姿などに目もくれず、向うのは旅禍の気配がする方角のみ。
「っ、いた!!」
たどり着いた場所。
そこには複数の男たちが話していた。
屋根の上に立っているカリアは男達の中に知り合いがいることに気が付く。
オレンジ色頭の青年と、体格のいい男。
そして……
「一角、弓親??」
なぜ彼らがここにいる。
確かカリアの記憶が正しければ彼らの配備先は別の場所だ。
2人は瞬歩を使えない、というより使えるかは知らないが……
自分以外瞬歩を使っている気配を感じなかったから、一角たちは瞬歩を使わずに旅禍と対面した事になる。
……ということは。
「あいつら、さぼってたな。」
剣八にばれても知らないぜ……
頭を抱えたくなったカリアはゆっくりと一角の隣に降りる。
「うおっ!?
カリア、お前いつの間に!?」
「Hello,一角、弓親。
まさかyou達が1番乗りだったなんてな。」
「一応言っておくけどカリア君、手柄を横取りするような無粋なまねはしないよね?」
「Yes、最初に彼らを見つけたのはyou達だからな……」
チラッ、と旅禍の2人組を見る。
オレンジ頭の青年達は自分の登場に目を見開いているようだ。
そしてさっきから気になっていたことなのだが……
「なぁ、you達。
どうして砂浜に埋まってるんだ?」
「うるせぇ、好きで埋まってるんじゃねぇよ!!」
本来なら石でできている道。
その床の一部が砂に変化し、まるで蟻地獄のようになっているのだ。
だから自然と旅禍の2人を見下ろすような形となる。
まぁ、旅禍たちはあの高さから落下したのだ。
この方法で着地したのだろう。
そう考えていると、旅禍の1人が逃げ出した。
「弓親。」
「あぁ。」
逃げ出した男を追う弓親。
2人の背中を見つめながらカリアは一角、旅禍の青年を交互に見る。
「じゃあカリア。
お前はどうするんだ。」
「ん〜…
たぶん他の旅禍たちのほうにも別の死神たちが向かっていると思うから…
しばらくここで観戦させてもらうよ。」
「へっ、途中で戦いたくなって割り込むなよ。」
「それは絶対にないな。」
別に自分は一角と違って戦闘狂ではない。
できることなら戦いは避けたい道。
しかし相手は旅禍。
そして見る限り、不安定ではあるが旅禍の霊圧は一角より上。
おそらく彼が勝つだろう。
「頑張れよ、一角。」
END
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