02/15の日記

16:58
海賊部屋(5D's男夢主)
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「おいおい、どんなworldだよ…」


深いため息をつきたい。
とても深いため息を。
仕方なくカリアは腰につけているデッキケースに手を触れる。


「ワムナビ、ユルルングル、エインガナ。」


静かに呼んだ虹蛇たちの名前。
呼ばれた3匹はそれぞれ姿を現しカリアを見下ろす。
周りの人間達が「何だあの大蛇!?」と驚いているが、そんなリアクションをする人間を数多も見てきたので慣れた。
よってスルーする。


「海賊たちを蹴散らせ。
あ、殺すなよ。
Ok?」


「分かった。」


「御意。」


「分かりましたわ。」


それぞれカリアの命令に従う意思を見せる。
そして振り返り、民間人相手に暴れている海賊たちを見下ろした。
見下ろされた彼らはギクッ、と表情を強張らせ民間人など放っておき虹蛇たちに刃を向けた。
しかし相手は20〜30mはある大蛇。
やはり怖いらしい。


「Go!」


カリアの声と同時に3匹が海賊たちに向かう。
彼らは大声を出しながらユルルングル達に切りかかるが、相手が悪い。
特にユルルングルの鱗は刃なんかで切れるようなものではない。
仮に切られたとしてもすぐに再生してしまう。
3匹に蹴散らされ、海に放り投げられる海賊たちを見ながらカリアは頭を抱えた。


「本当、どんなworldなんだここは…」


その時、後ろから海賊が襲ってきた。


「死ねぇ!!」


「……」


スッ、と目を細めたカリアは一歩下がり、護身用に持っている刀を抜いた。
勢いよく抜いたカリアは海賊の腹部に刀の棟(むね)で吹き飛ばす。
衝撃に海賊は吹き飛び、他の海賊達は一斉に切りかかってくる。
あまりの多さにカリアは舌打ちした。


「(こういう時、斬魄刀の始解が出来たら便利なんだけどなぁ…)」


死神達のいた世界で使えた力がこの世界では使えない。
使えるのは元々持っている精霊やカードを実体化させる能力と、異世界を渡る等。
不憫だと思いながらも虚よりはマシか…と呑気な事を考えながら次々と海賊たちを刀の棟で叩き潰す。
しかし数はなかなか減らない。


「ったく、何人いるんだ!?」


次々と襲ってくる海賊達に文句を言いながら腕を動かす。
チラッ、と虹蛇たちを見れば彼らは海賊、海賊船と戦っている。
あまりに巨大な海賊船に虹蛇達を具現化する大きさ間違えたか……?等と思った。


「すっげ〜〜、何だぁあの蛇!!?」


「What’s?」


上から聞こえてきた声。
カリア達は一瞬その声に気を取られ、顔を上げてしまう。
その先には高台があり。
高台には元気に笑っている青年を先頭に男達が立っていた。


「すんげーでっけぇ蛇だなぁ!!」


「蛇といえば蒲焼きだな。
よし、ルフィ、クソマリモ。
今夜は蒲焼きだ。」


「よっしゃ―――!!
肉―――!!」


「んじゃあ、首を切ってくるか。」


「ちょっと待て、お前ら!!!!」


3人の言葉にカリアは叫んだ。
待て、こいつら自分の可愛い虹蛇達を食べると言わなかったか?
カリアの叫び声に麦わら帽子をかぶっている青年は下を見る。


「ん、何だ?」


「あの蛇は俺のfriendsなんだ!!
蒲焼きにはするな!!」


「何〜〜〜!?
あの蛇、お前の友達なのか??
お前すげぇなぁ!」


「…………」


何なんだ、言葉のキャッチボールが出来ていない。
明らかに間違った返答をされたカリアは頭を抱えたくなった。
目の前や周りには海賊。
そして虹蛇達を蒲焼きにするという青年達。
その青年達の先頭に立つ彼とは言葉のキャッチボールが出来ない。


「あ、あいつは…
懸賞金1億ベリーの麦わらのルフィ!?」


「それに6000万ベリーのロロノア・ゾロ!!」


どよっ!!
一気に周りが騒がしくなった海賊達。
彼らの姿を見た海賊たちは顔を青くし、武器を捨てその場から逃げる始末。


「……何なんだ、あいつら…」


先程まで威勢よく自分に向かっていたのに、彼らの顔を見た瞬間逃げるとは。
それは裏を返せば彼らが恐ろしい人物という事になる。
カリアはゆっくりと彼らを見上げた。
すると麦わら帽子をかぶった青年が下りてきた。


「おれはモンキー・D・ルフィ!
お前は?」


「俺はカリア・クロコダイル・クック。」


って、何故名乗っているのだ自分は。
ハッと気が付いたカリアだが目の前にいるルフィはにしし。と笑っているだけ。
その無垢な笑みにカリアは言葉を発せなくなり、つられて笑ってしまう。



END

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