12/02の日記

21:16
狩り人部屋(5D's男主)
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この世界でいくつ目だろうか。
目の前にある焼肉店と手元にあるメモ帳、そして自分達の体を何度も見る。
自分の隣にいるフィーネとはほぼ同じ目線だ。


「ハンターね。
今回の試練はハンターの資格を手に入れ、念能力を会得すること。
そして私達は勝手な都合で12歳に若返り。
冗談じゃないわ。」


「しっかもぉ、あたしがぁ。
実体化できるってぇ、超良いよねぇ!!」


「アハハ……」


何で貴方の修行に巻き込まれてこんな目に遭わなきゃいけないのよ。
とオーラで語っているフィーネは腕を組んでいた。
そして自分達と共にいるカリアと似ている少女はくるくると回りながら言葉を放つ。


「ねぇねぇ!
カリアぁ、その紙にはぁ、なぁんんて書いてあるのぉ??」


「『ステーキ定食を頼む。
弱火でじっくり。』
だってさ。」


「は?
なぁに、それぇ??」


「試験を受けるための合言葉ね。
じゃ、さっさと行きましょう。」


ゆっくりと、丁寧に扉を開けると店員さんの声が聞こえる。
店内を見てみたが特におかしい感じはない。
カリアは営業スマイルを浮かべながら店員さんに声をかける。


「何名様でしょうか?」


「3名でぇす。」


「ステーキ定食を3つください。」


瞬間、店員と料理を作っている男性の雰囲気が変わった。
あまりにもわかりやすい反応にカリアとフィーネ、光歌は目を見開く。
ちょっと待て。
ハンター試験というのは星の数ほどの人間のうち、ひと握りの人間しかなれない超難関の試験だと聞いた。
それなのにそんなに簡単な反応を示していいのか?


「…焼き方は?」


「弱火でじっくりでお願いします。」


「あいよ。」


さらに鋭くなった雰囲気。
カリア達は驚きを通り超えて呆れた。


「(これじゃあ実力がない雑魚でも「ここが試験会場の入口だ」って分かるわよね。)」


「(超かんたぁん!)」


「(だよな。)」


最初から拍子抜けしてしまった3人はお得意のポーカーフェイスで笑みを作りながら案内される。
案内されたのは奥の部屋だ。


「こちらでお待ちください。」


「Thank you, cute lady.」


笑顔で礼を言うと、店員さんが嬉しそうに手を振って去っていった。
扉が閉じると2人は椅子に座った。


「で、念って何なのか分かっているの?」


「知識なら頭の中に入ってるぜ。
どうやって目覚めさせるかも。
後でやってみるか?」


「そうねぇ。
暇な時間があればやってみたいわ。
でも試験中は無理でしょうね。」


「どぉかぁん!
っていうかぁ、集中してできる気がぁしないんだよねぇ。」


「じゃあ合格したあとに始めるか。
お。」


突然聞こえた機械音。
同時に浮遊感を覚え、この部屋がなにか分かった。


「この部屋、エレベーターだったようね。」


「らしいな。」


「ねぇねぇ、どこまで降りるのかなぁ??」


目の前に並べられたステーキを頬張りながら光歌は呟く。
部屋の中の掲示では『B64』と表示されていた。


「まぁ、あともう少しだろう。
人の声が聞こえてくる。」


「あら、そうなの?」


「Yes…
それに光歌、youも気づいているんだろう?
すぐ下に多くの人間がいるって。」


「うん!
なんかぁ、すっごくぅ、禍々しい人達もいてぇ。
ちょっと嬉しい感じぃ。」


スッ、と冷たい笑みを浮かべた光歌。
彼女が微笑むと同時に机にヒビが入り、コップが割れてしまう。
食器も揺れ始めフィーネとカリアはため息をつく。


「あんまり弄るなよ。
フィーネだけで手がいっぱい
「あら、クロコダイル君。
私だけで手がいっぱいってどういう意味かしら?」
………なんでもありません。」


「あら、着いたようね。」


「あ、ほんとぉだぁ!!」


チーン、という音と共に部屋が止まる。
そして扉が開く。


「きゃ。」


3人に向けられる数多の視線に光歌が笑みを浮かべる。
突き刺さるように鋭いが、カリア達にとっては平気だ。
もし今まで様々な世界を回っていなかったら冷や汗を流していただろう。


「なんかぁ。
ほとんどぉ雑魚ぉ??」


「虚達に比べたらね。」


「おいおい。
虚と比べるなよ。
彼らが可哀想だ。」


「あら、比べても良いくらいに強そうな人も何人かいるみたいよ。」


ほら、とフィーネは何も言わず視線を向ける。
その先にはピエロ、顔中に針を刺している男性、忍者がいた。
瞬間、カリアの顔つきが変わる。


「カリアぁ?」


「ふふ、面白い子でも見つけたのかしら?」


「いや…
子供が受けているんだなぁって。」


大勢の大人の中にいる幼い少年。
年齢は今の自分達と同じくらいだろう。
銀髪のくせ毛と猫目が印象の少年だ。
そして雰囲気で彼が何者かだいたいの検討がつく。
つくづく恐ろしい世界だ。


「どうもこんにちは。」


「What’s?」


「あら。」


「あっ、お豆―!」


「初めまして。
ハンター協会事務員のマーメン・ビーンズです。
ようこそいらっしゃいました。」


ぺこりと頭を下げた豆のような顔の男性。
小柄な彼は人あたりの良い笑顔を浮かべながら3人にプレートを渡す。
それには403〜405の数字が書かれていた。


「それが私達の受験番号かしら?」


「おぉー!
なんかぁ、受験者っぽぉい!」


「貴方様のおっしゃる通りです。
試験中はくれぐれもなくさないよう胸につけてください。」


「Ok.」


「では、私はこれで。」


渡されたプレートを眺める3人。
カリアは403.
フィーネは404。
光歌は405だった。
それぞれのプレートの番号を見ながらもう1度受験者達を見渡した。


「俺達で400番代か。
この中で受かるのは何人だ?」


「さぁ。
私、今回の説明書には全て目を通していないからまだ覚えていないわ。」


「でもぉ。
かぁなぁりぃ、少ないってぇ聞いたよぉ。」


それはそうだろう。
ハンターの資格さえ手に入れてしまえばやりたい放題の世界だ。
人殺しをしても不問とされるくらいなのだから。
その資格を簡単に手に入れることが出来ればこの世界は悲惨な状況だろう。


「ねぇ、君達。
新人かい?」


「What’s?
Youは?」


上から聞こえた声にカリア達はそこを見上げる。
見ればパイプに座っている男性がカリア達を見下ろしていた。


「僕はトンパ。
37回も試験を受けているベテランだよ。」


「37!???」


「よく諦めないわね。
その不屈の挑戦魂は認めるわ。」


うそぉ!!!?と叫ぶ光歌に対しフィーネは冷静に返す。
カリアもフィーネと同じ意見だ。
35回も受けているのは確かにベテランだが、彼の年齢を考えるといい加減諦めた方が良いのでは?と思ってしまう。
しかし、それだけ彼はハンターの資格が欲しいのだろう。


「ははっ。
まぁ、いつももうちょっとのところで落ちるんだけど。
でもベテランである事には変わらないよ。
もし困ったことがあったら言ってくれ。
力になれるかもしれないからね。」


「あら、ご親切にありがとう。
トンパ小父様。」


にこにこと笑みを浮かべるトンパにフィーネも笑みを浮かべる。
瞬間、カリアは冷たい目をした。
光歌も気づいたようだが何も言わずにニコニコしている。


「あ、そうだ。
君達緊張して喉が渇いているだろう?
よかったらこれをどうぞ。」


はい、と差し出されたのは3本の缶ジュース。
どこにでも売っている飲み物だ。
カリアは表面上笑みを浮かべて受け取ろうとしたが。


「ダメだよぉ、カリアぁ。
それぇ、毒入ってるぅ!」


「っ!??」


「(言わなくても分かっているわよ。)」


カリアの腕を光歌が掴み、心配そうに言う。
彼女の言葉にトンパは目を見開き、フィーネははぁとため息をついた。
そう。
彼が今3人に差し出した飲み物には何かが混入しているのだ。


「Sorry、トンパさん。
彼女は人の悪意に敏感でね。
貴方が俺達に悪意を持ってそれを差し出しているというのがすぐに分かったんだ。」


「悪意を持って缶ジュースを渡そうとするってことは、そのジュースに毒が含まれている可能性が高いって事になるわね。」


「っ…!!!」


トンパは顔を引きつらせながら光歌を凝視する。
彼女は明らかにバカですよというオーラを放っているのに、人の悪意に敏感など誤算だった。
ぱっと3人を見たとき、注意するのはフィーネだけだと思っていたのに。


「あ、でも。」


カリアはトンパの持つ缶ジュースをもらう。


「これは何かの役に立つかもしれないので、一応頂きますね。」


ニコッ、と悪戯っ子のような笑みを浮かべた。


END
で、ここからゴン達と仲良くなるんですよ!
きっとキルアとフィーネは相性が悪いだろうなぁ。
別に互を嫌悪しているんじゃなくて、弄る者と弄られる者の関係。

個人的にこの子達は…
カリアは特質系。(個人主義)
光歌は強化系。(単純で一途)
フィーネは変化系(気まぐれで嘘つき)(基本この子嘘はつかないけど)かな。
イスズはいないけど操作系(マイペース)。

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