化石部屋

□言わないのは卑怯よ【ジム夢】
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異世界に飛ばされてからジムの様子が可笑しい。
彗星を見た瞬間に顔を真っ青にし、包帯で隠している右目を強く押さえている。
十代たちは気づいていないけど、私は気づいている。
ねぇ、ジム……
どうしたの?
右目が痛むの?
私が尋ねるとジムは微笑んで


Don’t worry. All right.


と言って誤魔化す。
いつも私が痛みとか苦痛を隠していると、すぐに大丈夫か?とか、隠しちゃだめだとか言ってくるのに……
どうして、私は頼りにならないの?
ねぇ、ジム……
私は自分がジムに信頼されていないと考えると胸が苦しくなる。
それは誰も同じかもしれない。
だけど、今は環境が環境だから普通より苦しい。
私達は自分たちの意思で異世界に来た。
自分たちが住んでいた世界と環境が一変したのだ。
ねぇ、ジム……
貴方は私に抱え込むなって言ったよね?
なら、貴方も抱え込まないで。
私たち、恋人同士でしょう?
心配をかけたくないからって……
何も言わないのは卑怯よ。
ねぇ、ジム………






END
 

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