暗いモノ

□君が見るもの。
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あの日君は、崖の上に立つあの人を見て表情を変えた。僕には見せたことのないその表情はどことなく哀しげで


あの人が去った後君は泣いた。体を丸め、地にはいつくばって涙を流した


君はそれほどにサスケ君を思っているんだ。このモヤモヤした気持は一体なんなのかわからない。感情を持っていない僕には考える統べもないんだろうけど


あれから何日か過ぎ、僕はスケッチブックを片手に外へ出た。里全体が見渡せる丘へ行くと、君がいた


「あ、サイ!」


君は僕の名前を呼ぶと、チョイチョイと手招きをした。自然と顔が『笑顔』という表情になる

君の隣りに座ると、絵を描くのか?と聞いてきた。


スケッチブックを持っていて他にすることがある?と言おうと思ったけど僕は言葉をつまらせた


君は泣いていたの?
・・・僅かに残っている涙の跡、浮かべる哀しげな表情。君は隠しているつもりなんだろうけど、僕はすぐに気付いた


「そうだよ」



それだけ言うと、僕は筆を出して絵を描いた。君はジッと見てくる。絵ではない・・・・・僕の顔をジッと


「何かついてる?」



そう聞くと、君はパッと目をそらして口を開いた
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