story‐室町‐
□もみじがり
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「私によく似合って綺麗ですよね、先輩。」
「そうだな〜、よしっ四郎兵衛、あの木に登ってこい!!」
「止めてください!先輩、今日の目的は違います。四郎兵衛、三之助の手を放すな!!」
「はっはい!」
「えー、せっかく丁度いいのに〜、なぁ?四郎兵衛!」
「ぎゃあ次屋そこを動くなぁ〜〜!!!!」
「ほぇぇぇ!」
今日はみんなでもみじがりにきています。
場所はいつもの裏裏裏山です。
紅葉はまっかで、とっても綺麗です。
「どうした、金吾疲れたのか?」
黙っている僕が気になったのか、滝夜叉丸先輩が手を差し出してくれました。
みんなは嫌っているけれど、滝夜叉丸先輩は優しくて、僕はとってもすごいと思ってます。
「どうした、疲れちゃったのか〜?ほれっ!!」
「ほぇぇぇ!」
「あはは〜金吾よく見えるだろう?」
急に七松先輩が肩車をしてきた。山の向こうのそのまた向こうも見えて、思わず叫んじゃいました。
「金吾、綺麗か?」
「すっごい綺麗です!」
滝夜叉丸先輩が下から笑顔で聞いてきました。夕日と紅葉と、夕日に照らされてる滝夜叉丸先輩も、とても綺麗でした。
「滝ちゃんも、すっごい綺麗だけどね!」
七松先輩がそう言うと、滝夜叉丸先輩はもっと真っ赤になって、紅葉に負けないくらいでした。
「いいか、シロ。こーゆーのをバカップルって言うんだ。シロはあーなっちゃダメだぞ。」
「ふぇ?」
いつの間にか、すぐ近くに次屋先輩と時友先輩もいて、何故か時友先輩はおんぶされていました。
「よーし!帰るぞー!!今日はみんなでゆっくり帰ろうな!!」
僕は肩車されたまま、七松先輩は次屋先輩の手を握って、滝夜叉丸先輩は時友先輩と手を繋いで、みんなで一緒に帰りました。
僕は、とても楽しくて、ずっと笑っていました。
‐END‐
→おまけま