story‐室町‐

□あまいふたり
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「とーない。」



「藤内。」



「とーなーいー。」



「藤内ー!」







「うっさい!!!」









やっと藤内がこっちを向いた。

あーよかった。

「藤内を呼んでただけだが?」

「今宿題してんだよ!みりゃわかるだろ!!」

「あー。」



俺は今、藤内の部屋でくつろいでいた。ってかさっきまで普通に寝てたんだよな。



勿体ねぇ。



「ねぇ、藤内。」

「…なんだよ。」



甘いんだ、藤内は。

少しの沈黙で、抵抗を見せるけど結局答えちゃ意味ないよな。




「好きだ。」



「…。」



甘い。好きだらけ。油断大敵火がボーボー。


ずっとうつむいている藤内にすり寄り、後ろから抱き締める。



「何泣いてんの?」

「ばかっ…さんのっすけ…っか!!」

「まぁ俺は実技の方が得意。」

「ちげーよ!」


ちゅ


思いっきり振り返った藤内とさらさらな黒髪を見ていた俺の唇が触れた。

「!」


甘い。



「ごごご、ごめ…」

「いいよ、てかもう一回していい?」



もうすっかり俺の腕に抱き締められてる藤内は、こくんとうなずいた。



やべ、かわいい。



「好きだ。」

「 」

「そうかそうか。」
















甘い甘い、時を


‐END‐



 

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