お題部屋

□恋に気が付く10のお題
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現パロのようにもみえる虎伊


ー…はじまりは、この時から


「さてっと、掃除しよっか!」

授業が終わって、教室の掃除。

正直めんどくさいし、大体綺麗だから掃除しなくていいんじゃないかと思ってしまう。

その証拠に団蔵や喜三太はもうどっかに行こうとしてる。


「そうやって大雑把に考えるからダメなの!毎日埃は溜まってるんだよ?」

「伊助はよく気が付く性格だからだよ。」


「だから何!!気が付きすぎちゃいけないっていうの!?教室の掃除をするのはいけないこと!?」


シーン


急に伊助が大きい声を出したから、一瞬みんなの手が止まった。


「ぇ…っと…伊助…?」

乱太郎が控え目に声をかけると伊助は我にかえって掃除を続行した。
顔を赤くして、少し俯き加減になっている。

「…虎若は力持ちなんだから机運んで、もう乱ちゃん達が箒で掃いてくれたから。」

「ぅ…ぉ、おぅ。ご、ごめんな。」

「ぅえ、…えと僕こそ急に大きな声だして…ごめんなさい。」

なんか、俯きながら真っ赤な顔で言われると、ドキドキすんな。

「ってドキドキって何!?」

よくわからない緊張を持ったまま机をすぐ運ぶ。掃除が苦手な僕に出来ることは、これぐらいなんだ。

全て机を運んで、黒板をやってる伊助を手伝おうとすると、声がかかった。

「虎若ー掃除終わった?サッカーしよサッカー!!」

団蔵だ。どこいってたんだあいつ。
あー、と適当に返事をしつつ考えた。伊助にもう一回ちゃんと謝りたい気もしたし、あと少しぐらいできることをしたいものだ。

「虎若!」

振り向くと伊助が笑顔で話していた。

「あと黒板だけだからいいよ。机全部はこんでくれたんだね。」

「あ、でも」



「ありがとうッ。今日はもういいよ。」



ニコっと笑った伊助は、



とってもかわいくて。



「伊助、今度俺の部屋掃除して。」



「?」


一瞬、何言ってんだこいつみたいな顔をしてから、


また、かわいい笑顔で

「いいよ、一緒にね。」




たぶんその時の顔はすごいアホな顔だったと思う。


廊下に出て、校庭へ急ぐ。あれ、なんでこんな息ぎれしてんだ。


「虎若ー早く走れよ!」




ーーこの、息ぐるしさはなんだろう。

動悸の加速は初期症状



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