お題・英単語

□golden-金色の-
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 金色に輝くその姿は闇夜すらも照らす。

 それはどんな暗闇であっても……。

「……チチィ〜……普段は超サイヤ人になるなって言うくせに……」
「非常時だ。グダグダ言うでねえ」
「おかあさ〜ん、もうつかれちゃった〜」
「ガマンするだよ。体力バカのおめえたちがこの程度で疲れるわけねえべ?」
「いやお母さん、超サイヤ人って結構疲れるんだけど……」
「なあに言ってんだか。普段でも超サイヤ人でいる修行してたんだべ? それに悟飯。おめえは変身してねえでねえか?」
「僕は老界王神様に潜在能力を限界以上に引き出して貰ったから……てか、超サイヤ人の場合気の使い方が違うって言うか微妙な力加減が逆に難しいというか……家の物を壊さないように気をコントロールするのもなかなか難しいんですよ……」
「それにオラも普段から超サイヤ人でいる修行なんてもうやってねえし……」
「文句ばっかり言ってると明日の朝食抜きだべ」
「そ、そりゃねえよっ!!」
「超サイヤ人のオメエたちが役に立つなんて、こんなことくれえしかねえんだ。ほら、ドンドン照らすだよ」
「……つかれちゃったよ〜」
「……台風で停電になったからって超サイヤ人を灯り代わりにしなくても……蝋燭でいいんじゃ……」
「蝋燭切らしてるんだべ」
「悟天なんかまだコントロールが上手く出来ないから、ひとつ間違えたら家が壊れちゃいますよ……」
「それもそうだべな。悟天ちゃんはやめていいだよ」
「やった!!」
「……なあチチィ〜別にもう寝ちまえばいいんじゃねえのかぁ?」
「おらこの本さ読んでしまいたいんだべ。続きが気になって寝られやしねえ」
「そんなことのために……てか非常時じゃないんじゃ……」
「あ、そうだ。おら風呂さどうしよ……」
「見事にスルーされちゃったよ……」
「じゃあオラが一緒に入れば……ぐふっ!!」
「子供の前で何言ってんだっ!!」
「……う……」
「見事に鳩尾にクリーンヒットしましたね……て、何で超サイヤ人なのにやられるんですか?」
「おかあさんっ、おとうさん超サイヤ人なのにやっつけちゃったよ!! おかあさんすごいね!!」

 鳩尾を押さえ悶絶する悟空。プリプリと怒りながらも本を読み進めるチチ。超サイヤ人にも関わらず、何故か普通の人間である母に一撃でやられる父を不思議に思いつつも、そんな両親の姿に苦笑する悟飯。母の父に対する強烈な突きにはしゃぐ悟天。

 台風で停電になってしまった孫家の窓から洩れる黄金の光。

 台風であろうとなかろうと、パオズ山の孫家は今日も平和だった。


 end

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