雨の日の唄

□雨の日の唄61〜90
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雨の日の唄73


 勢いで言ってしまった。

 でも本当におばさんに料理を習いたい。

 おばさんの作る料理は本当に美味しくて、うちのコックなんかよりも断然美味しいと思う。

 そんなおばさんの料理を毎日食べてる悟飯君だから、絶対に舌が肥えてると思う。
 
 だから少しでもいい。おばさんの料理に近づけたら……って思う。


 それにおじさんは悟飯君なんかよりももっと食べるって言っていた。

 悟飯君も悟天君もよく食べるのに、それ以上に食べるおじさんも生き返って、それでもあの三人を満足させられる秘訣があるのなら、是非教えて貰いたいって……。

 
 こんな事思うなんて初めてだ。

 悟飯君のために何かしたい。悟飯君に私の料理をお世辞じゃなくて『美味しい』って言って貰いたい。

 もっと満足できるだけ作ってあげたい。


 自でもびっくりするくらい恋する乙女モードに入ってる。イレーザが知られたら笑われるかも知れない。

 それでもいい。

 そんな風に思えるなんて、本当は幸せなのかも知れない。


 こうして(コブ付きでも)一緒にいられるなんてすごく幸せだ。

 こんなに近くに悟飯君を感じる事が出来るなんて、本当に私は恵まれている。

 
 学校でも悟飯君を好きだと思っている子が何人かいる事は知っている。
 
 でも、その子達には悪いけど、私だって悟飯君が好きなんだ。

 出し抜かれてるって思われても仕方がない。

 そんな風に思うなんて、今までにはなかった。

 すっかり恋する乙女だ……。


 自分の心境の変化に、少し戸惑いつつも、恋する喜びも知った。


 end

 
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