雨の日の唄

□雨の日の唄61〜90
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雨の日の唄74


 とりあえずお母さんに何て言おうか?

 普通に『ビーデルさんがお母さんに料理を習いたいって』でいいんだろうけど……。

 なんだろう?この妙な照れ臭さは……。

 別にビーデルさんが料理を習いたいと言ってるだけなのに……別にだから何だと言うわけではないんだけど……。

 その事をお母さんに告げるだけなのになぁ……。

 どうにも緊張する……ような気がする……。

 ビーデルさんがうちに来るのは初めてではないし、お父さんともお母さんとも面識がある。
 だけど、何だろう……異性の友達がうちに来るっていうのは、やっぱり……照れ臭いよな……。

 舞空術を習いに来てた時はそんな事なかったんだけど、やっぱり意識するようになったら照れ臭いってのが勝ってしまうんだよな。

 でも嬉しいのはすごく嬉しいんだけど。

 悟天は喜ぶだろうな。ビーデルさんの事大好きみたいだし。

 絶対一緒に遊ぼうって言うだろうな。

 お母さんはビーデルさんの事気に入ってるみたいだから、大歓迎するのはわかる。

 お父さんは……まぁあの通りの人だし。

 でもこの前お父さん言ってたな。

『あのビーデルって娘、若い頃の母さんにそっくりだ』って。

 その後に言ってた『やっぱオメエはオラの子だな』ってセリフ……。

 ……!?

 お父さんっ、もしかして気付いてるっ!?

 うわぁ、お父さん……意外と鋭い……?

 何かそう思うと……急に顔が火を噴いたみたいに熱くなった。

 お父さんが気付いてるってなるとお母さんだって気付いてるだろうし……。

 何だかうちに帰るのだ恥ずかしいかも……。

 僕は悟天とトランクスが遊んでいる池の水で火照った顔を冷やしたい気分になった。


 end
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