雨の日の唄
□雨の日の唄61〜90
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雨の日の唄83
「悟飯さんとビーデルねえちゃん、いいカンジだよな?」
川べりで並んでこっちを見ている二人を見て言った。
「いいかんじって?」
悟天はキョトンとした顔で首を傾げていた。
「だから悟飯さんとビーデルねえちゃん」
「なにがいいかんじなの?」
更に首を傾げている。
「え? おまえ、いいカンジって意味わかんない?」
「? なんのこと?」
さすが悟天だ。こういうことは疎いんだよな。
「……そうだなぁ……悟飯さんとビーデルねえちゃんは両思いってことだ」
「りょうおもいってなに?」
「……」
そっか……あの悟飯さんの弟だもんな……ってあのおじさんの子供だもんな……。
「えっとさ、昨日も言っただろ? 悟飯さんとビーデルねえちゃんが好き同士ってヤツ」
「うん」
「それを両思いって言うんだ」
「へえ〜そうなんだぁ〜!!」
まん丸な目を大きく見開いて、悟天は納得したように言った。
「じゃあね、おとうさんとおかあさんもりょうおもいってヤツなの?」
悟天は目をキラキラさせて聞いてきた。
「え、えっと、そうだな……そうなんじゃねえの?」
よその親のことまで知らねえけど、まあおばさんがずっとおじさんのこと待ってたって言うし、おじさんも何だかんだで帰ってきてるところを見ると、相当両思いだとは思うけど……。
「じゃあトランクスくんのおじさんとおばさんも?」
「え……? オレのパパとママ?」
「うん!!」
正直そういうことって考えたくないけど……自分の親のことって妙に生々しいよな……。
でも、パパとママは両思いだと思う。だからオレが生まれたんだろうけど……。
まぁ昔のパパは相当酷い人だったって言うけど……。でも人を見る目のある(と思う)ママが好きになったんだし、今のパパとママの様子から両思いだと思う。
あ、でも最初はママの押しの強さにパパが負けたってことも考えられる……。
まぁ何にしても、今は結構幸せだし。
「パパとママも両思いだよ」
そういうことなんだ。
end