過去拍手SS
□星に願いを (悟空ver.)
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会いたくて。
抱きしめたくて。
この想いを星に乗せて―
時間もない。季節もない。天気もない。
ひたすら修行をしていると、今がいつだかわからない。
だけど、ストンと胸に強い想いが落ちる時がある。
悟空は修行をする手を止め、見えるはずの無い星空を思う。
「……そうか……今日は七夕じゃったか……」
界王は悟空の様子で全てを察し、その場を去った。
『七夕って何だ?』
『1年に1度、彦星と織姫が会える日だべ』
新婚の頃、チチが話していた。
悟空は空を見上げながら道着の胸のあたりをギュッと掴む。
下界から届けられる強い想い。
「……オラも……会いてぇよ、チチ……」
次に会えるのはいつだろう?
チチがこっちへ来た時かも知れない。
ここでは見えない星に願う。
「……オメエを抱きしめてえよ……チチ……」
この想いを、チチの想いを届けてくれた星に乗せて。
下界の妻に届きますように。
end