過去拍手SS

□For a long time(悟チチver.)
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「ふあ〜っ」

 悟空は大あくびをして寝転んだ。

 寝転びながら向こうの川を見ると、悟飯と悟天がはしゃぎながら釣りをしている。

 今日は悟飯の学校が休みだし、悟空も修行を休みにして子供達と川へ釣りをしにやって来た。

(平和だなぁ……)

 この間まで自分は死んだ人間で、地球が滅びたとは思えないくらい平和だった。

 こうして生き返って、こうして自分の家に戻ってきて、こうして家族ともう一度共に暮らせるなんて思いもしなかった。

 そして、こうして息子達と釣りに来れるなんて事も。

「悟空さ」

 ボーっと息子達がはしゃぐ姿を見ていると、頭上から声がした。

「お弁当、持って来ただよ」
「おう。すまねえな」

 そう言って身体を起こす。

「なあチチ、ここに座れ」

 悟空は今まで寝転んでいた場所を指差して座るように促す。

「うん?」

 チチは悟空に言われた通りに座ると、突然悟空は膝に頭を乗せてきた。

「ご、悟空さっ!?」

「へへっ、膝枕」

 嬉しそうにチチの膝に頬を摺り寄せてきた。

「もうっ、こんなところで恥ずかしいべ!!」

 チチは文句を言いながらも悟空のしたいようにさせている。

 髪を撫でるチチの手が気持ちいい。

 チチの膝も、頬を撫でる風も、太陽の光も、子供達のはしゃぐ声も、全部が心地いい。

「気持ちいいだな……」
「……ああ……」

 目を細めて子供達を見ているチチ。

 悟空もそれに倣い、子供達を見る。


 これからは子供達の成長をこの目で見てやれる。

 そして、チチを同じ方向を見て生きていける。

 明日も明後日も、ずっとこうして―。
 

 end

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