過去拍手SS
□Christmas Present
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悟飯ver.
「おとうさん、サンタさん、ぼくのところに来てくれないの。ぼくわるいこなのかな?」
息子と湯船に浸かっていると唐突に言ってきた。
「何でだ?悟飯はいい子だろ? 母ちゃんいつも『悟飯はいい子だ』って言ってっぞ?」
半べそをかきかけてる息子の顔を覗き込んで言ってやる。
「……だって……」
「何だ?」
言いにくそうな息子の身体を持ち上げ、目線を同じにする。
「……だってね……」
「うん?」
「だって…ぼくの本当に欲しいもの、全然くれないんだもん……」
少し愚図り気味なのは、欲しいものが貰えない事より、自分が悪い子かも知れないという事に対してなのだという事は、自分達夫婦はよく知っている。
「悟飯は本当は何が欲しいんだ?」
さり気なく聞いて、あとで妻に伝えよう。
「……ほんとはね……」
「何だ?」
「ぼく本当はね、おとうとが欲しいの……」
「弟?」
「うん……」
遠慮がちに言う息子に再度確認する。
「悟飯は弟が欲しいんか?」
「うん」
「……そりゃあ、サンタさんでもどうにも出来ねえなあ……」
「なんで?」
キョトンとしている息子に何て言ったらいいものか。
「……何でって言われてもなぁ……」
「なんで?なんで?」
困った……上手く言えない。
もうこれは本当に弟を作ってやるしかないか。と思った。
end