過去拍手SS
□Christmas Present
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悟天ver.
「おかあさん、サンタさん来てくれるかな?」
ベッドに靴下をくくりつけて、悟天は自分を寝かしつけてくれている母に聞いた。
「そうだべな、悟天がおっ父とおっ母と兄ちゃんの言う事を聞くいい子なら、サンタさんも来てくれるべ」
チチはそう言って悟天の頭を撫でる。
悟天は父や兄の大きな手で撫でられる事も好きだけど、母の手で撫でられる事が一番大好きで、嬉しそうに首をすくめる。
「ぼくいい子だもん。サンタさん来てくれるよね?」
「でも悟天、この間家の中で超サイヤ人になったべ?おっ母絶対に家の中でなっちゃダメだって言ったべな?」
チチはちょっと意地悪く言った。
「……ごめんなさい……もうならないよ……」
悟天はシュンとなって小さく呟いた。
「悟天はいい子だ」
そう言ってまた撫でてやる。
「ねえおかあさん。おかあさんのところにもサンタさん来てくれた?」
悟天は母に訊ねた。
「おっ母のところに?」
「うん、サンタさん」
「……そうだべなぁ……」
チチは悟天の問いに少し考えてから言った。
「来たべ」
「ホントッ!?」
悟天は目をキラキラさせて聞いた。
「何もらったの!?」
チチはニッコリと微笑んで言った。
「悟天のおっ父だべ」
「おとうさん?」
悟天はキョトンとした。
「んだ。おっ母はおっ父が死んでからずっと『悟天のおっ父を連れて来て下さい』ってお願いしてたんだべ」
そう言うチチに、悟天は突然抱き付いた。
「じゃあ来てくれたんだね!!」
「んだな。悟天もいい子にしてたらサンタさんが来てくれるべ。いい子はもう寝る時間だ」
「うん!! おやすみなさい、おかあさんっ!!」
そう言って布団に潜り込んだ。
「おやすみ、悟天ちゃん」
悟天の元にもサンタクロースが訪れますように。
チチは次男の寝顔に微笑んだ。
end